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阪神・才木 頼もしすぎるシーズン2度の「1―0完封」 球団日本人投手では古沢憲司以来50年ぶり

2024年06月03日 05:15

野球

阪神・才木 頼もしすぎるシーズン2度の「1―0完封」 球団日本人投手では古沢憲司以来50年ぶり
<ロ・神>完封勝利し、梅野(左)と抱き合って喜ぶ才木(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神1-0ロッテ ( 2024年6月2日    ZOZOマリン )】 頼もしい右腕が、何もかも止めてみせた。阪神・才木浩人投手(25)が2日のロッテ戦で、1―0の6安打完封勝利。チームの連敗を5でストップするとともに、ロッテの連勝を11で止めた。6連敗なら第2次岡田政権では初の屈辱だったがその危機を救い、ハーラートップタイの6勝目。2日連続サヨナラ負けの嫌なムードを“サンデー浩人”が快投で振り払い、チームに今季の交流戦初勝利をもたらした。
 9回2死三塁。敵地の大声援の中で、才木は思い切り腕を振った。116球目の高め直球。ポランコの打球は二ゴロとなり、最後のアウトを取ると、少年のような笑顔がはじけた。「最終回のピンチで凄い拍手をもらえたので、ウェーイ!と思いながら投げました」。今季最悪の5連敗、わずか1点の援護、11連勝中のロッテ打線による驚異的な粘り。数々の重圧を乗り越えた完封勝利は、格別だった。

 「最後はもう気持ちなので。何とか抑えられて良かった」

 チームの連敗が始まったのは自身が先発した5月26日の巨人戦(甲子園)から。「自分が投げているところは絶対に勝つ」とかねて繰り返す右腕は、燃えていた。「絶対(連敗を)オレで止めたる」。テンポ良くストライクを先行させて無四球。相手の早打ちを誘った。8回まで先頭打者を出塁させず99球。終盤に得点圏に走者を背負っても、ギアを上げる余力が残っていた。「フォアボールがなかったのが大きかった。ポンポン打ってもらえて、最後まで投げられた」。ピンチでも交代させなかった岡田監督は「もう、今日は才木に任すしかあれへん。才木に託すしかないやん」と振り返った。

 才木の好投を支えたのは、130キロ中盤で沈むフォークだ。この日奪った6三振のうち、決め球がフォークだったのは5個。8回2死三塁、フルカウントで岡から三振を奪った場面でも選択した。「三振を取れる、これは絶対安心できるというボール」と話すほど信頼を置く。オフから“強化指定球種”に定め、相手が狙っていても低めに投げ切る制球力を追い求めてきた。

 「今年は絶対に相手がフォークをマークしてくる。その中でどれだけ振らせられるかをイメージした。張られた時に浮くと絶対に持っていかれる。高さは特に気を使って投げ込んできた」

 年間2度の1―0完封は、球団では14年メッセンジャー以来10年ぶり、日本人では74年の古沢憲司以来50年ぶりだ。今季チームの連敗を止めたのはこれで3度目。エースの風格すら漂い始めた。「(1―0で勝てるのは)やっぱり凄くうれしい。そこで最後まで投げさせてもらえることもいいこと。こういう勝ち方を続けていきたい」。ハーラートップタイの6勝目を挙げた右腕の快進撃は、まだまだ終わらない。(松本 航亮)

 《日本人投手では古沢憲司以来50年ぶり》
 ○…才木が4月21日の中日戦に続き、今季2度目のスコア1―0での完封。阪神投手のシーズン2度以上の1―0完封は14年4月29日広島戦、5月11日巨人戦のメッセンジャー以来10年ぶり。日本人投手では74年5月12日ヤクルト戦、6月22日巨人戦で記録した古沢憲司以来50年ぶりだ。才木の白星でチームの連敗は5でストップ。今季チーム5度の連敗のうち、3度を才木が止めている。

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