×

【東京六大学野球】今春リーグ戦で5万増の20万人超来場 早慶戦では7年ぶり満員 理由に迫る

2024年06月03日 14:03

野球

【東京六大学野球】今春リーグ戦で5万増の20万人超来場 早慶戦では7年ぶり満員 理由に迫る
リーグ戦を制した早大ナインを見守る内藤氏(撮影・柳内 遼平) Photo By スポニチ
 東京六大学野球の春季リーグ戦は2日、早慶戦の2回戦が行われ、早大が12―2で慶大に連勝。勝ち点5とし、20年秋以来7季ぶりの優勝を果たした。並んでいた法大を上回るリーグ単独最多の47度目の優勝。優勝した15年以来9年ぶり15度目の全日本大学野球選手権(10日開幕、神宮ほか)出場を決めた。
 早慶戦の第1戦では7年ぶり満員の3万人、第2戦では2万8000人が来場するなど今春のリーグ戦では計20万人超が来場した。昨春のリーグ戦から約5万増。アマチュア野球のリーグ戦において圧倒的な人気を誇るリーグ戦で、観客増となった理由を東京六大学野球連盟の常務理事、事務局長を務める内藤雅之氏(62)に聞いた。(聞き手 アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)

――今春のリーグ戦では20万人超が来場。昨春と比較しても5万人以上の増員となりました。
 「今回のリーグ戦を振り返ると土曜、日曜の雨天中止がゼロで、天候に恵まれたことが1つの要因としてあると思います。“雨の中で大変だ”というのは昨日の最終戦の1試合だけ。屋根のない球場でやっていますから観客動員は天候に左右されるところがある。やはりお客様も天気の良い日に見に行きたいですよね」

――運営側としては天候が気になる。
 「一番気になりますね。予定通りに試合ができるかは天候が全て。実はスマホに3つも天気アプリをインストールしているんです。意外とアプリごとに予報が微妙に違うんですよ。毎回、一番天候が良い予報を出しているところを信じていますね(笑い)。昨日の最終戦では試合中に雨が強くなり、ずっとアプリで雨雲の動きをチェックしていました」

――優勝争いとは別に1つ1つのカードで盛り上がった印象。
 「それも大きいですね。1勝1敗で第3戦を迎えるケースが多かった。“第3戦でどちらが勝ち点を獲得するか”という状況は勝ち点戦の醍醐味(だいごみ)。完全優勝した早大も明大戦、立大戦で第3戦を戦い、最後まで優勝の分からない展開となりました。1つのチームが独走していなかったことも盛り上がりの要因として考えられます。各校が掲げる目標は優勝ですが、やはり東京六大学野球は対5校の対抗戦という意識がある。1つ1つのカードの積み重ねがリーグ戦の結果になる。この意識を6校の監督さんが伝統として受け継がれていますし、監督の意識が選手たちにも共有されています。“対抗戦の集合体”と。人気カードの早慶戦以外でも2万人近くの入場を記録していました」

――慶大・堀井監督、立大・木村監督による“韮山高チームメート対決”は1勝1敗1分で4戦目を戦うなどアツかった。慶大の丸田、渡辺憩、早大の安田ら1年生の躍動も印象的だった。
 「1年生は早大の安田投手、慶大の丸田外野手、渡辺憩捕手だけではなく、立大の小林内野手や東大の松本投手らがデビューを飾りました。フレッシュな選手たちに、これから六大学野球の伝統や意義を勉強していただいて、どんどん盛り上げていってほしい。6校の選手がまた1つ大きくなった姿を秋に見せてくれることを期待しています」

――リーグ戦の意義はどんなところに感じている。
 「やはりスタンドで母校の校歌や応援歌を歌うことが東京六大学野球の伝統。OBの方々も“神宮で応援歌を覚えて帰りました”という方が多い。大学において校歌を歌う機会は入学式や卒業式などに限られています。学生さんたちには神宮で母校の試合に足を運んで、OBや同じ学校の学生たちと応援歌を歌う体験をしてもらえるとうれしいですし、リーグとしてもそういう光景を目指していきたいと思います」

 ◇内藤 雅之(ないとう・まさゆき)1961年8月11日生まれ、東京都台東区出身の62歳。立教中では投手、立教高校では遊撃手としてプレー。立大では社会学部に所属し、野球部では1年秋からマネージャーを務める。卒業後は東京六大学野球連盟で勤務し、現在は同連盟の理事、事務局長を務める。

おすすめテーマ

2024年06月03日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム