“鷹の稼頭央”ソフトバンク・大野 自信満々「向かっていくピッチングができています」

2024年06月11日 05:20

野球

“鷹の稼頭央”ソフトバンク・大野 自信満々「向かっていくピッチングができています」
4軍戦に登板し力投する大野(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 ソフトバンクの2年目左腕・大野稼頭央投手(19)が2軍に昇格し、8日のオリックス戦で公式戦デビューを果たした。背番号60は直球の平均球速が昨年から2~3キロ速くなって140キロ台中盤。食生活を見直し、体重も71キロまでパワーアップと一歩ずつ成長している。コーチから自信にあふれたマウンド姿勢を評価される“鷹の稼頭央”に迫った。
 6日にみずほペイペイドームであった2軍戦に初々しい姿があった。大野は登板こそなかったが、元気に試合前練習に参加。3、4軍の非公式戦で17回1/3を投げて19奪三振と好投している背番号60は「どんどん自分から向かっていくピッチングができています」と手応えを語っていた。7日からの遠征にも同行。8日のオリックス戦(紀三井寺)で公式戦デビューし、2番手で3回2/3を投げ1失点。押し出し四球を与えるなどほろ苦い内容だったが、大きな一歩をしるした。

 鹿児島・奄美大島出身で大島では3年春に甲子園に出場した。プロ1年目の昨季は2軍戦での登板はなかったが、3、4軍の非公式戦で計45試合に登板した。2年目の飛躍を期した今春キャンプは球速、切れが上がらず苦しんだ。ケガではなかったが、直球は130キロ出なかったという。

 コーチ陣と「投げることは後回しにして、体づくりをしよう」と話し合った。2、3月とボールを握るのはキャッチボール程度にして、4軍で体をもう一度いじめ抜いたことで状態がアップした。直球の平均球速は昨年から2~3キロ速い140キロ台中盤。「自分の生命線」と自信を持つブレーキの利いたカーブも健在。「真っすぐと同じフォームでいつ投げてもストライクが入るように」と意識している。

 細身だった体重は公称より3キロ重い71キロまで増えた。「今までと食べる量は変わっていないけど、中身を変えたことで質が良くなってきた」。きっかけは1月に弟子入りした大先輩・和田の自主トレ参加。楽天のエース左腕・早川と会話し、お互いに一度に多くを食べられない共通点があった。食事の取り方を聞き「タンパク質だけじゃ体は大きくならない。果物などビタミンも一緒に取る」「疲れがあるときは疲労回復の食べ物を」などヒントを得て生かしている。

 奥村4軍投手コーチは「稼頭央って自信満々に入るんですよ」と試合に入る“姿勢”を買っている。「自信満々にさえできれば2軍でもやっていけると思う。球も凄く良くなっている」と太鼓判を押した。

 同じ左腕では昨年のドラフト1位で大阪桐蔭から前田悠が加入した。「ライバルであるんですけど、悠伍から教わることも多い」と刺激し合っている。スポットライトを浴びる日はそう遠くないはずだ。 (杉浦 友樹)

 【取材後記】意外な答えだった。高校球児なら誰もが憧れる甲子園に大野は3年春に出場。初戦で明秀日立(茨城)に0―8で敗れた。7四死球を与えたこともあるのだろう。「甲子園は全く覚えていないんです」と苦笑いする。

 逆に一番覚えている試合は3年夏の3回戦を挙げた。春夏25度出場している古豪、鹿児島商を12奪三振の力投で完封したゲームで「高校の中でも自分のベストピッチングだった」と胸を張る。鹿児島大会は来月6日に開幕する。当時を思い起こすかと聞くと、「今年はあんまり思わないかもしれません」と言った。それぐらい2年目の自分と向き合えているように映った。

 ◇大野 稼頭央(おおの・かずお)2004年(平16)8月6日生まれ、鹿児島県奄美市出身の19歳。大島では3年春の選抜出場。22年ドラフト4位でソフトバンクに入団。名前の由来は父が西武などで活躍した松井稼頭央氏の大ファンだったから。背番号60。1メートル76、公称から3キロ増の71キロ。左投げ左打ち。

おすすめテーマ

2024年06月11日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム