カブス・今永 “精密機械”上向き6勝 下向いて吠えたK斬り「お辞儀三振セレブレーション」

2024年06月11日 01:30

野球

カブス・今永 “精密機械”上向き6勝 下向いて吠えたK斬り「お辞儀三振セレブレーション」
<レッドソックス・カブス>6回のピンチを三振で切り抜け、雄叫びを上げるカブス・今永(ロイター)
 【ナ・リーグ   カブス4ー2レッズ ( 2024年6月9日    シンシナティ )】 カブスの今永昇太投手(30)が9日(日本時間10日)、敵地シンシナティでのレッズ戦で6回2/3を投げ、5安打2失点、7奪三振の好投。5月1日以来39日ぶりの6勝目を手にした。この日の1四球を加えたデビューから先発12試合での11与四球は、1901年以降球団最少。同一年に限ればメジャー全体でも歴代1位の511勝を挙げた伝説の投手、サイ・ヤングらと並ぶ歴代5位の精密機械ぶり。連敗を3で止め、地区2位タイ浮上に導いた。
 実るほどこうべを垂れる稲穂かな――。好投で白星を手にしても、今永の謙虚さは変わらなかった。「勝つのは気持ちが良い。一番重要なのはチームが勝つこと。今日はそれができた」。39日ぶりの自身の白星より、3連敗を止めたことがうれしかった。

 メジャーを席巻する切れ味鋭い直球で、7連勝中だったレッズ打線を斬った。初回から3回先頭のマーリーに左越えソロを浴びるまで、8打者連続で初球は直球。以降はカーブとチェンジアップを織り交ぜ、6回まで打者13人に1四球のみの無安打に封じた。直前の2試合はいずれも4回1/3で7失点、5失点。「自分の長所を生かすため、高めの真っすぐと低めのチェンジアップに立ち返った」。両打ち2人を含む8人が右打席に立った、相手打線の対策も封じた。

 降雨中断で69球降板だった前回から中4日。「体がベストなコンディションでないと相手に通用しない。全てもう一度見直して、いいコンディションでマウンドに上がろうと思った」と本来のメニューにない壁当てやキャッチボールなどで好調時の感触を探った。途中降板した7回は3連打を許したが「スムーズに腕が振れたり、体が回ったりとかが戻った」と復活の手応えを得た。

 5回1死。前の打席でソロを浴びたマーリーを、フルカウントから85マイル(約137キロ)のチェンジアップで空振り三振。振り向いて下を向きながら吠えた。米国で「ピッチングニンジャ」として有名な、弁護士で投球分析家のロブ・フリードマン氏がSNSに動画とともに「And Bow(そして、お辞儀)」と投稿。日本流の「お辞儀三振セレブレーション」の誕生とファンの間で話題になったが、直球はお辞儀することはなかった。

 試合前にクレイグ・カウンセル監督は好デビューを続ける今永に「最高の投手でもヒットは打たれる。でも、彼はそうじゃないと思わせるように僕たちをだましたようなものだ」と言った。防御率1・96はリーグ3位。指揮官の期待のハードルをまた上げてしまうような、好投だった。

 ≪デビューから12戦11与四球は歴代5位≫今永はこれでメジャーデビューから先発12試合で6勝1敗、防御率1・96、72奪三振で与四球は11となった。デビュー年に限れば先発12試合で11与四球以下は7人目で、サイ・ヤングらに並ぶ5位タイの少なさとなった。またデビューから先発12試合での72奪三振は、98年ケリー・ウッドの107、現ドジャース投手コーチの02年マーク・プライアーの86に次ぐ球団歴代3位。同じ期間での防御率1・96は1913~15年にかけて12試合に先発したジップ・ザベルの1・85に次ぐ球団109年ぶりの低い数字となった。

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