鳥越裕介氏 主力の離脱痛いソフトバンク ニューヒーローの出現に期待

2024年06月11日 05:20

野球

鳥越裕介氏 主力の離脱痛いソフトバンク ニューヒーローの出現に期待
5月31日、広島戦で右足を負傷した柳田。若手の台頭が望まれる
 【鳥越裕介 かぼす論】5月31日の広島戦でソフトバンク・柳田が右脚を負傷した。全治4カ月という。開幕から5月までのチームは好調だった。ただ、強力打線といわれるほどには点が取れていない。得点は12球団で1番かもしれないけど、チーム打率は2割5分くらい。投手の頑張りで勝ってきた部分も大きかった。そんな中、ここまで頑張ってきた打者が調子を落としている時期と柳田の離脱が重なった。5月30日の巨人戦で右手を骨折した三森もそうだ。不振に陥っているセンターの周東も合わせ、一気に3つのポジションが空いたことになる。
 柳田が負傷した翌1日の広島戦では育成選手から支配下復帰した佐藤直がセンターに入った。広島3連戦では佐藤直や途中出場の川瀬がヒットを打ち、開幕前に支配下選手登録された緒方がいい四球を選んだ。ああいった必死な姿によって、チームは活性化する。開幕からレギュラーをほぼ、固定していた中、意図していなかった競争が生まれている。結果、当初描いていたものとは違ううれしい誤算が出てくるのではないだろうか。

 レギュラーの離脱は痛いがチームとしては悪いことばかりではない。柳田は36歳シーズンで3年後を考えた時、今、控え選手に出場機会が与えられるのは大きなこと。ケガをせずに出ていれば当然、チャンスはない。ある程度、プラスに捉えてやるべきだと思う。ニューヒーローが出てくることに期待をしたい。

 現役時代の小久保監督は2003年に右膝に大ケガを負い、シーズンを棒に振った時、川崎宗則が出てきた。川崎はショートを守らせるにはまだ不安はあった。そんな時、三塁が空いた。出続けることによって自信がつくし、いい意味で慣れる。結果、3割近い打率を残した。アクシデントがなければ、あれほど順調に頭角を現すことはなかったかもしれない。それによって、次のシーズン、私のショートの定位置はなくなることになるのだが(笑い)。

 新しい選手が頑張ることによって、これまで出ている選手も刺激を受けて調子を上げるだろう。今季、微妙な立場だった中村晃がどういうものを出してくるかも楽しみだ。出番が増えれば確実に成績を残す男だと思う。ベテランと若手の融合もまた、見ものになる。

 ケガをしてしまった柳田はもし、時間があるようならば糸島市のカフェ「itoshimacco」へ顔を出してみて。きっとマスターの田之上慶三郎さんのすてきな笑顔にたくさん、パワーをもらえると思うので。(野球解説者)

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