藤井王将 鉄道シミュレーターに2時間熱中「ブレーキが利きません」 7番勝負の振り返り大盤解説会
2024年02月17日 18:45
芸能
「すみません、全然止まりません。ブレーキが利きません」
対局では、決して聞くことのない絶対王者の悲鳴が漏れた。愛知県、静岡県、長野県を結ぶ山岳地帯を走る飯田線は急カーブや急勾配の多さで知られる。カーブの直後に現れる駅では停止位置をオーバーランした。将棋の研究に疲れると、鉄道シミュレーターで息抜きするという藤井にとっても難敵だった。
「旧型車両は操作が複雑。でも自動車のマニュアル車のような人間味があります」
設置した高槻市在住の僧侶・岡村昭太郎さん(47)が解説した。シミュレーターは岡村さんが50万円を投じ、ほぼ手作りで完成。1日がかりで搬入した。飯田線までの往復の交通費、そして着手から10年以上の月日を費やしたという車窓に映るCGは、1995年当時の風景を再現。制服や制帽は飯田線に実際に乗務した職員からもらい受け、藤井が着用した。その労力が21歳を熱中させた。
「来年も?ぜひぜひ」と岡村さん。すでに1次予選が進行し、来年年明けの7番勝負開催となる第74期。今期は実現しなかった高槻対局への新たなモチベーションが生まれた。