【悼む】自由奔放、破天荒だった叶井俊太郎さん 標準治療受けず最後まで仕事…自分貫いた“異端児”

2024年02月17日 19:00

芸能

【悼む】自由奔放、破天荒だった叶井俊太郎さん 標準治療受けず最後まで仕事…自分貫いた“異端児”
昨年12月、トークショーを行った叶井俊太郎氏 Photo By スポニチ
 漫画家の倉田真由美さんの夫で、映画プロデューサーの叶井俊太郎(かない・しゅんたろう)さんが16日午後11時頃、都内の自宅で死去した。56歳。東京都出身。叶井さんは2022年6月にステージ3の膵臓(すいぞう)がんで「余命半年」の診断を受けたことを、昨年10月に公表。抗がん剤などの標準治療を受けずに、最後まで通常通りに生活を続けることを選択していた。
 【悼む】アルバトロスで宣伝をしていた頃から30年以上の付き合いになる。良くも悪くも、自由奔放で破天荒な男だった。特に女性関係では武勇伝に事欠かない。ほとんどが痛い目に遭ったエピソードだが…。01年「アメリ」は、脚本を読んで女性のストーカーものと勘違いして買い付けたのがきっかけ。仏で完成した作品を見て、初めて恋愛ファンタジーということが分かったほどで、結果的には興収16億円の大ヒットとなった。だが、本人は最期まで字幕版を見ることはなかった。

 手掛けた作品が大コケしたことはもちろん、設立した映画会社が倒産するなど周囲にはかなり迷惑をかけたはず。それでも本人は常に悪びれることなく、「なんとかなるでしょ」と常に強がっていた。

 その意味では抗がん剤など標準治療をせず、会社には数時間しかいられなくなっても最後まで仕事をし続けたのが叶井らしく、彼の矜持だったのだろう。昨年12月に話した時は「早く死にたい」と漏らしていた。こちらも覚悟はしていたが、いざ現実になるとやはり寂しさが募る。映画界に大きなツメ跡を残した必要(悪も含め)な異端児だったと改めて思う。(映画担当・鈴木元)

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