近江 滋賀県勢初の夏5連覇 選手の成長を見た多賀監督「初戦と決勝のチームでは人間的な力が違う」

2023年07月29日 04:30

野球

近江 滋賀県勢初の夏5連覇 選手の成長を見た多賀監督「初戦と決勝のチームでは人間的な力が違う」
<近江・滋賀学園>優勝を決め、マウンドに集まって歓喜する近江ナイン(撮影・成瀬 徹) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権滋賀大会決勝   近江8―7滋賀学園 ( 2023年7月28日    マイネットスタジアム皇子山 )】 第105回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める滋賀大会が28日に決勝を迎え、近江が滋賀学園を8―7で下した。滋賀では初の夏5連覇となる17度目の優勝。昨秋の県大会3回戦敗退からはい上がったチームが、滋賀県勢初の日本一を目指して聖地に向かう。
 近江は、滋賀初の夏5連覇と絶対王者の威厳を示した。6回終了時点で7―1とリードしながら、最後は1点差にまで迫られる猛追をかわした。この辛抱強さに多賀章仁監督は、選手の成長を見た。

 「苦しい一年でした。このチームは秋からなかなか出来上がってこなかった。だけど夏初戦と決勝のチームでは人間的な力が違う。そこが勝ち切れた大きな要因だと思います」

 選抜準優勝、夏の甲子園4強と飛躍した昨年とは対照的に、今夏に至るまでの道のりは平たんではなかった。秋季大会で彦根東に敗れて3回戦敗退となり、選抜出場を逃した。長い冬を迎える前に多賀監督は「自分との闘いに勝て。昨日の自分を超えろ」とテーマを掲げた。横田悟主将は(3年)「昨秋から、とても厳しい冬を乗り越えてきた」と胸を張る。走り込みなど圧倒的な練習量をこなしたチームは、春季大会を制して近畿大会に出場。一歩ずつ着実に成長してきたチームに、多賀監督は「こういう試合をして甲子園に行けることは、選手の自信になると思う」とようやく手応えをつかんだ。

 熱戦だった決勝で自信を深めたのが、大一番の先発を託された背番号11・西山恒誠(2年)だ。初回1死一、三塁で先制の右犠飛を献上したものの、2回からの4イニングを1安打無失点と修正。5回3安打1失点と力投した。

 「重圧もあったけど、3年生から“お前なら大丈夫”と声をかけてもらい、試合を楽しむことができました」

 昨年は先発完投型のエース右腕・山田(現西武)がフル回転した。今年は投手陣が力を合わせ、継投策で勝ち上がってきた。西山は「山田さんはピンチで気合が入っていた」と振り返る。冷静沈着の西山も決勝では声を出しながら腕を振った。

 滋賀県勢は春夏通じて甲子園の優勝経験がない。多賀監督は「滋賀県高野連の悲願である日本一への挑戦権を得られたことを本当にうれしく思います」と背筋を正した。悲願の日本一へ、近江ナインの成長は続く。(河合 洋介)

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