阪神・村上 智弁学園魂で7勝 「お兄ちゃんみたい」淡路島の先輩・近本と、思い出の聖地でマルチ“競演”

2023年07月29日 05:45

野球

阪神・村上 智弁学園魂で7勝 「お兄ちゃんみたい」淡路島の先輩・近本と、思い出の聖地でマルチ“競演”
<神・広>6回、森下の適時打で生還し、ナインと笑顔でハイタッチをかわす村上(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神7―2広島 ( 2023年7月28日    甲子園 )】 阪神先発の村上が7回5安打2失点と奮闘し、6月29日中日戦以来となる7勝目を挙げた。バットでも自身初、投手では昨年8月30日の広島戦(甲子園)で記録した青柳以来の1試合2安打を記録。さらにこの日は母校・智弁学園(奈良)が夏の甲子園出場を決め、歓喜が重なる一日となった。後輩から受けた大きな刺激を胸に、目標の10勝まで、あと3勝に迫った。
 「今日は4回を一番意識した。(3回に)2点取って再逆転してもらって、そこ(4回)で先頭打者を出すと流れが悪くなる。3人で抑えるという気持ちで投げた」

 有言実行。大事な初回と先制直後の2回、そして4回は3人でピシャリ。自然と攻撃にリズムを生み、味方の援護点を引き出した。4回2死一塁で右前打、6回2死一、二塁では左前打し、甲子園でのプロ初安打をマーク。16年の選抜決勝では、優勝を決めるサヨナラ安打を放った思い出の地で再び快打を放ちながら「後ろにつなごうと思った結果」と素っ気ない。“後ろ”を打つ近本の2安打の方がうれしいからだ。

 「お兄ちゃんみたいな感じ。たまに自分もイジるけど、基本的にイジられてばっかり」と村上が慕う淡路島の先輩は、右肋骨を骨折してから1カ月もたたないうちに戦列に復帰した。「いっぱい打ってもらおうと思う」と早期復帰が頼もしい半面、心の底から願うのは故障の再発防止だ。

 「無理だけはしてほしくない。次、ケガしたら本当に今シーズン(の復帰は)無理だと思うので…」

 心優しき右腕が、聖地で1カ月ぶりの勝利をつかんだ。広島戦は3度目の登板で初勝利。「負けないように頑張る」と決意を新たにさせてくれた母校の後輩たちも、まもなく甲子園へとやってくる。くしくも7年前の「7・28」は、18歳の村上少年が甲子園への切符を手にした日。目指してきた夢舞台を、今、職場として投げられる幸せを感じながら――。背番号41は次の1勝へ向け、再び走り出す。(八木 勇磨)

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