広島・床田 9回無失点の力投で「1年前の悪夢」払拭 バウアーと互角の投げ合い 防御率でリーグ首位浮上

2023年08月04日 05:45

野球

広島・床田 9回無失点の力投で「1年前の悪夢」払拭 バウアーと互角の投げ合い 防御率でリーグ首位浮上
<広・D(18)>7回無死一塁、大和を三ゴロ併殺に打ち取り笑顔の床田 (撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島0ー0DeNA ( 2023年8月3日    マツダ )】 広島・床田寛樹投手(28)が1年前の悪夢を払拭した。昨年右足首を骨折した同じ「8月3日のDeNA戦」で9回零封の力投。10回零封だったバウアーと互角の投げ合いを演じ、今季2度目の引き分けに貢献した。初の10勝到達こそ次回へ持ち越しても、リーグトップの防御率1・70が光り、しびれる投手戦で役目を果たした。
 9回2死で床田は残っていた力を振り絞った。佐野に対する3球目と4球目に最速148キロを計測。力強い直球で追い込み、5球目のツーシームで空振り三振に仕留めた。104球を投げ抜いて9回零封。完璧な内容にうなずいた。

 「マックス(の球速)狙いで投げた。次の回に打席が回ってくるので、終わりだろうと思っていた。何とか、いいリズムで帰れるようにと思って、最後出し切って投げた」

 140キロ台の直球を軸に、110キロ台のカーブ、パームを織り交ぜて凡打の山を築いた。味方打線がバウアーから得点を奪えず、1点でも致命傷になる展開で堂々と対抗した。

 「いい投手なので、何とか負けないようにと思って、食らいついて投げていた」

 9回に回った打席で代打を送られて勝敗はつかなかった。初の10勝到達は持ち越しても10回零封のバウアーと緊迫の投げ合いを演じ、「(内容も)良かったと思う」と充実感を漂わせた。

 8月3日は忘れられない日付だった。1年前の同じ日の横浜スタジアム。5回の打席で一塁への走塁中に転倒し、右足首を骨折した。以降はリハビリ生活を強いられ、悔しい日々を過ごした。苦い過去があったからこそ気合も入った。「6回の打席に立つときに、去年を超えられたなと思った」。悪夢を振り払い、過去の自分に別れを告げた。

 前回7月27日のヤクルト戦では左手人さし指がつるアクシデントに見舞われて8回途中で降板。教訓を生かし、イニング間の塩分補給を心がけ、投球でも「力を入れるところと、抑えるところと、同じ球種でも強弱をつけていた」という。9回を投げきり、防御率1・70に上げてリーグトップを守った。

 新井監督は「本当に素晴らしい投球だった。勝ちをつけてあげたかったが、何も言うことがない」と目を細めた。勝負の8月戦線。これからも続く厳しい戦いで、昨季は不在だった頼もしい左腕がいる。 (長谷川 凡記)

 ○…床田(広)とバウアー(D)が9回まで無失点の投げ合い。先発同士の9イニング無失点は昨季5月6日の大野雄(中)VS青柳(神)以来。試合は0―0の引き分け。延長12回以上で0―0引き分けは今季5月5日のロッテ―ソフトバンク(延長12回)以来。広島では09年5月16日の巨人戦(マツダ、延長12回)以来、14年ぶり9度目。

 ▽床田の昨季8月3日 DeNA戦(横浜)に先発して4回まで6安打3失点。5回の第2打席で一ゴロを打った後の走塁で転倒し負傷交代。翌4日に広島市内の病院で「右足関節骨折(=右足首の骨折)」と診断され、残りのシーズンを棒に振った。同年は登板17試合で当時自己最多の8勝(6敗)を挙げていた。

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