【甲子園】滋賀学園がコツコツ野球で初8強!! 3試合16犠打は「がばい旋風」をほうふつ

2024年08月17日 05:00

野球

【甲子園】滋賀学園がコツコツ野球で初8強!! 3試合16犠打は「がばい旋風」をほうふつ
<霞ヶ浦・滋賀学園>3回、右前打を放った滋賀学園・岩井(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【第106回全国高校野球選手権大会第10日・3回戦   滋賀学園6―2霞ケ浦 ( 2024年8月16日    甲子園 )】 3回戦4試合が行われ、滋賀学園(滋賀)が霞ケ浦(茨城)を6―2で下して初の8強入りを決めた。初戦から3試合連続2桁安打を達成した猛攻の裏で、計16犠打を数える堅実な攻撃を展開。3回戦までの16犠打以上は、07年に優勝した佐賀北(佐賀)の17犠打以来17年ぶりとなった。
 滋賀学園がコツコツ野球で夏初勝利から3勝目を挙げ、ベスト8に進出した。現代野球において犠打で走者を進めることは得点期待値を下げるとされる中、6犠打で効率よく得点を重ねた。

 1―0の3回無死一塁で国仲優星が投前へ転がし、後続の安打で追加点につながった。昨夏の滋賀大会決勝の近江戦では、9回無死二塁から犠打を成功させたかに見えたが、打席から足がはみ出す「反則打球」でアウト。チームは1点差で涙をのんだ。「あの経験があったから、バントに対しての意識は一層上がった」と、1年間の成長に胸を張った。

 犠打を決め切る集中力は、普段の練習で養われている。3カ所で行う1人5球のフリー打撃では、最初にバントを決めないとバッティングに進めない。フライを上げてしまうと、次の打者と即交代だ。山口達也監督は犠打を多用する意図について「とにかく走者を進めたいということ。(走者を)得点圏に置いて圧をかける。僕は守っていて嫌なので。だから徹底しています」と説明する。

 これで初戦から6、4、6で計16犠打。3回戦までに16個以上は、07年に「がばい旋風」で優勝へと駆け上がった佐賀北(17犠打)以来だけに期待は高まる。バントが攻撃のリズムを生み13安打を放ったが、滋賀県勢で初戦から3試合連続2桁安打は1979年の比叡山以来45年ぶりだ。

 飛距離の出にくい新基準バットが採用された今春選抜では、外野手が極端な前進守備をとるため、走者二塁からの適時打が減少した。それでも自分たちの持ち味を貫いた先に、滋賀県勢悲願の初優勝が見えてくる。 (石丸 泰士)

 ○…滋賀学園が13安打で3試合連続2桁安打を達成。低反発の新基準バットに完全移行した今春選抜以降では初。

 ○…滋賀勢が初戦から3試合連続2桁安打を決めたのは、79年比叡山以来45年ぶり。

 ▽佐賀北の「がばい旋風」 07年夏の甲子園で聖地未勝利だった佐賀北(佐賀)が次々と強豪に勝利して優勝した快進撃は「がばい旋風」と呼ばれた。福井商(福井)との開幕試合で甲子園初勝利を挙げ、2回戦では宇治山田商(三重)との延長15回引き分け再試合を勝利するなど激戦を制しながら勝ち進んだ。そして広陵(広島)との決勝で8回に逆転満塁本塁打が飛び出して優勝を決定づけた。「がばい」は、佐賀弁で「とても」という意味。

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