【甲子園】関東第一“坂井の11球”で5年ぶり8強 名将の仕掛けにも動じぬバント処理で同点ピンチ脱出

2024年08月17日 05:00

野球

【甲子園】関東第一“坂井の11球”で5年ぶり8強 名将の仕掛けにも動じぬバント処理で同点ピンチ脱出
<明徳義塾・関東第一>7回、バントの打球を捕った坂井は三塁に送球し、二塁走者を封殺する(撮影・井垣 忠夫) Photo By スポニチ
 【第106回全国高校野球選手権大会第10日・3回戦   関東第一3―2明徳義塾 ( 2024年8月16日    甲子園 )】 動じない。名将の仕掛けにも、関東第一のエース・坂井遼(はる=3年)は表情一つ変えずに、渾身(こんしん)のボールを投げ込んだ。
 「(バントが)強いゴロで来るように、強いボールを高めに投げようと思った」。3―2の7回無死一、二塁。明徳義塾・馬淵史郎監督が4番に代打・北浦龍(3年)を送ってきた。「馬淵監督さんが率いて何があるか分からない」と犠打と読んで直球を連投。読み通りバントを仕掛けてきた相手を、見逃し、ファウルで追い込んだ3球目だった。この日最速タイの147キロの真ん中直球。スリーバントは狙い通り自分の前に強く転がった。素早く処理して三塁封殺。このビッグプレーにバックも応え、際どいゴロを内野陣が立て続けの好守で守り切った。名将の勝負手を魂の11球で封じた坂井は「周りと声をかけ合ってしのげた」と振り返った。

 これまで課題は精神面の弱さ。今年の選抜初戦では八戸学院光星(青森)にタイブレークの延長11回に3失点して敗れたように、ピンチで「打たれたらやばい」と考えてしまっていた。それが厳しい場面の登板を重ねマイナス思考は消え「打たれることより抑えることを考えるようになった」。春の悔しさが心を強くし、5回から5イニングを3安打無失点救援で勝利に貢献した。

 米沢貴光監督にとっては、甲子園3度目の対戦で明徳義塾に初勝利。「これまでは点差以上に差を感じる敗戦だったが、今日勝ち切れた。財産になる」。5年ぶりの夏ベスト8は「坂井の11球」に凝縮されていた。(秋村 誠人)

 ≪準々決勝は東海大相模と激突≫準々決勝進出が決まった4校が試合後に抽選を行い、2カードの組み合わせが決まった。第12日の19日の第1試合は関東第一(東東京)と東海大相模(神奈川)、第2試合は青森山田と滋賀学園が対戦。第3、第4試合は17日の試合後に抽選を行い決定する。

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