桜美林・吉田啓人、7回参考ノーノー達成 片桐監督最後の夏に「一緒に甲子園」へ好発進

2023年07月16日 05:00

野球

桜美林・吉田啓人、7回参考ノーノー達成 片桐監督最後の夏に「一緒に甲子園」へ好発進
<桜美林・都保谷>7回参考ながらノーヒットノーランを達成した桜美林・吉田 Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権西東京大会3回戦   桜美林9-0都保谷 ( 2023年7月15日    スリーボンド八王子 )】 最後まで愚直に腕を振り続けた。7回79球を投げ抜き、許した走者は四球による2人だけ。桜美林の吉田啓人(3年)が参考記録ながらノーヒットノーランを達成した。
 「特に意識はしていませんでした。序盤は力みもあって浮いてしまいましたが、回を追うごとに変化球の精度が良くなりました」

 初回1死から四球を出したものの、後続を仕留めてリズムに乗った。その後は3人ずつ片付け、付け入る隙を与えない。序盤は相手投手を打ちあぐねた打線も4回以降、小刻みに得点を重ねて援護してくれた。9―0で迎えた7回は、2死からこの日2個目の四球を出したが、続く打者を左飛に打ち取りコールド勝ちを飾った。

 投げるたびに帽子のつばが横を向くが、これが調子のバロメーター。「腕がしっかり振れている時は帽子がよく動きます」という。さらに1球1球声を出して投げ、イニングの合間にはブルペンに走り、そこでも投げる。「感覚を忘れたくないのと、気持ちを切らさないようにするためです」。点差が開いても、無安打投球が続いていても、最後まで目の前の打者を打ち取ることに集中し、投げ続けた。

 76年夏の甲子園優勝時に主将を務め、早大卒業後は監督、部長として長年率いた片桐幸宏監督は、定年のため今夏が最後の夏となる。「気持ちはいつもと変わらない。最後といっても、出会った3年生はみんな最後だったんだから」と話す。あの夏を含め、飛び抜けた選手で勝つチームではない。全員の力を結集して戦うのが桜美林の伝統。この日、快投を演じた吉田にしても最速は131キロだ。「特別速い球があるわけではないけど、気持ちで投げる選手。ウチらしい投手かな」と指揮官は話す。

 片桐監督が最後の夏となることは、選手も分かっている。吉田は「今年は片桐先生と一緒に甲子園に行く、とみんなで話しています」。02年以来、21年ぶりの甲子園へ幸先のいいスタートを切った。

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