エンゼルス6連敗…大谷 守備に足引っ張られ5失点 勝てるチームへトレード加速 8・2リミット

2023年07月16日 02:30

野球

エンゼルス6連敗…大谷 守備に足引っ張られ5失点 勝てるチームへトレード加速 8・2リミット
<エンゼルス・アストロズ>5回、レンヒーフォの失策で4点目を失い肩を落とす大谷(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 【ア・リーグ   エンゼルス5―7アストロズ ( 2023年7月14日    アナハイム )】 エンゼルスの大谷翔平投手(29)が14日(日本時間15日)、同地区のアストロズとの後半戦開幕カード初戦に「2番・投手兼DH」で出場。打撃は2安打も、守備の乱れもあり5回0/3を5失点(自責点4)で5敗目を喫した。チームは6連敗で、ここ11試合は1勝10敗の急落ぶりで今季最多の借金2。9年ぶりのポストシーズン(PS)進出はさらに厳しい状況となり、8月1日(同2日)のトレード期限を前に移籍報道も過熱してきた。
 チームにとって大事な試合であることは大谷が一番分かっていた。だから、思わず感情が行動に出た。両手を膝につき、しばらく動けない。ピンチでも、失点しても、表情を変えない右腕にとって、心が折れたようなしぐさは珍しいことだった。

 大谷が「誰しもエラーをしたくてしているわけでもない」と振り返ったのは、1点を勝ち越された5回。なお1死二塁で三塁手のレンヒーフォが高い平凡なゴロを後逸した。中堅方向に転がる球を追う際も緩慢な動き。痛恨の適時失策を犯した男は直後に代打を送られ懲罰交代となった。

 自身も6月27日の登板で割れた右中指の爪が完治しておらず、6回に先頭を四球で歩かせたところで降板。不満げな表情でベンチ裏に下がったが「不満というか、自分自身(の投球)が思い通りではなかった」と心境を明かす。「不満がたまっているか?」との問いには「みんなあると思う。負けが込んでくると人間誰しもそういう感情は出る」と言った。

 負の連鎖は止まらない。前半戦はラスト10試合を1勝9敗で終え、迎えた後半戦の初陣。レンヒーフォの拙守以外も記録に残らない守備のミスを連発し、連敗は今季ワーストの6まで伸びた。最大8あった貯金を使い切り、借金2。ワイルドカード(WC)圏内まで6ゲーム差となり、9年ぶりのPS進出は崖っ縁の状況だ。

 もはや8月1日のトレード期限を前にした強豪チームへの移籍報道合戦はこの時期の風物詩だが、オフにFAとなる今年はさらに過熱している。この日は大リーグ専門局MLBネットワークの看板記者ジョン・モロシ氏が情報筋の話として「エ軍のフロントは大谷のトレードに関し、他球団から問い合わせがあった場合は検討する」と報道。レッドソックスの地元紙ボストン・グローブは通算541本塁打のOBデービッド・オルティス氏が大谷をトレードで獲得すべきとレ軍に提言している発言を掲載した。

 11日にTモバイル・パークで開催された球宴で「Come to Seattle!(シアトルに来て!)」の大合唱が話題になったが、この日に同球場で行われたマリナーズ―タイガース戦では「We want Shohei!(我々は翔平が欲しい!」のコールも巻き起こった。全米で加速する“FA狂騒曲”。雑音を封じるには勝つしかない。(柳原 直之)

 ≪崖っ縁6差≫エ軍は6月20日の時点では41勝34敗で地区2位。WC争いも3位で、プレーオフ進出圏内にいた。同27日の段階でも貯金7として再び進出圏内に浮上も、そこから急降下。翌28日から4連敗を喫し、白星1つを挟んで7月3日からこの日まで6連敗となった。WC争いでは圏内から6ゲーム差。厳しい状況に追い込まれている。

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