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花巻東・佐々木監督 3年生へ「麟太郎がいたので昔から知っている子達。ずっと野球やれてうれしかった」

2023年08月19日 20:22

野球

花巻東・佐々木監督 3年生へ「麟太郎がいたので昔から知っている子達。ずっと野球やれてうれしかった」
<花巻東・仙台育英>試合前、選手に話をする花巻東・佐々木監督 (撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権 準々決勝   花巻東4-9仙台育英 ( 2023年8月19日    甲子園 )】 大会第12日、準々決勝第4試合で花巻東(岩手)は昨夏に東北勢初の甲子園大会優勝を果たした仙台育英(宮城)と対戦。今大会注目のスラッガー、花巻東・佐々木麟太郎内野手(3年)は「3番・一塁」で先発し、4打数無安打に終わった。チームは9点を追う9回に猛追したが、2013年以来10年ぶりの4強進出はならなかった。
 2回まで0-0と互角で立ち上がったが、3、4回と集中打を浴びて計8失点。7回にも1点を失った。打線も仙台育英の継投に苦しみ、つながりを欠いた。それでも9回にはつなぎにつなぎ、20人全員を出し切る総力戦で4点を返す猛追を見せた。

 佐々木洋監督は仙台育英打線について「流れで3回4回取られてしまった。橋本くんの盗塁とか、牽制をしつこく入れてという話もあったんですけど。徹底できてなくてですね」と悔しさをにじませた。

 それでも、9回は意地の猛反撃で4点を返し「あそこまで粘るとは。球場の声援もすごく嬉しかったです」としみじみ。

 最後の夏となった3年生に向けては「麟太郎がいたので、シニアからやってたり、小学校の県選抜とかでやってた子たちで、昔から知っている子達。見に行った訳では無いんですけど、ビデオで見たりとか。小学校や中学校の大会見に行ったりとかはなかったんですが、例えばビデオで麟太郎の試合に広内が出てきたり。今野とか堀川とか小さい頃から知っているので。みんなの親のような気持ちで来たような気がしていて。そういうことが今までなかったので。親御さん含め感謝です」と小学校時代から知るメンバーに目を細めた。

 「特別な代?そうですね。久慈や晴山も麟太郎と小学校の県選抜でやってたりして。見に行くことはなかったんですが、ビデオ見るのは楽しみだったので。そんな子たちとずっと野球やれたのはうれしく思います」と感謝を口にした。

 麟太郎は最速153キロを誇る仙台育英・背番号10の右腕、湯田統真と対戦で、初回2死走者なしからの第1打席は外角直球を投ゴロ。第2打席は8点を追う4回1死走者なしから。外高めの直球を全力でフルスイングするなど長打狙いでバットを振ったが、最後はチェンジアップで空振り三振に倒れた。

 第3打席は6回2死一塁と得点のチャンスで迎え、冷静にボールを見極めて一、二塁とつないだ。

 8回は2死一、二塁のチャンスで第4打席を迎えた。初球の141キロをフルスイングも空振り。2球で追い込まれ、3球目は外角いっぱいの直球で見逃し三振に倒れた。ストライクのコールがあった後もしばらく動けず、無念の表情を浮かべた。

 9点を追う9回は、4番・北條からの打順だったが、佐々木は自らにまわってくると信じ、イニングの頭からヘルメットと手袋、ガードをつけて打席に備えた。すると、打線はつなぎにつないで4点を返す猛反撃。なおも2死一、二塁で第5打席を迎えた。球場中から花巻東への大歓声と拍手が沸く中、暴投で二、三塁とさらにチャンスが拡大。右翼へ抜けそうな当たりを放ったが好守に阻まれた。二塁へ執念のヘッドスライディングも無念のアウト。顔を泥だらけにして最後の夏が終わった。

 甲子園初アーチはならなかったが、今大会4試合で打率・375のハイスコアをマーク。打者としての器用さを見せ、父・洋監督との父子鷹ともなった高校野球に別れを告げた。

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