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【佐々木麟太郎と一問一答】涙の敗退「申し訳なかった」 最後の打席「幸せ、みんなにありがとうって」

2023年08月19日 21:18

野球

【佐々木麟太郎と一問一答】涙の敗退「申し訳なかった」 最後の打席「幸せ、みんなにありがとうって」
<花巻東・仙台育英>9回、佐々木麟は二ゴロに倒れ、その場に座り込む (撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権 準々決勝   花巻東4-9仙台育英 ( 2023年8月19日    甲子園 )】 大会第12日、準々決勝第4試合で花巻東(岩手)は昨夏に東北勢初の甲子園大会優勝を果たした仙台育英(宮城)と対戦。通算140発を誇った今大会注目のスラッガー、花巻東・佐々木麟太郎内野手(3年)は「3番・一塁」で先発し、4打数無安打に終わった。チームは9点を追う9回に猛追したが、2013年以来10年ぶりの4強進出はならなかった。
 2回まで0-0と互角で立ち上がったが、3、4回と集中打を浴びて計8失点。7回にも1点を失った。打線も仙台育英の継投に苦しみ、つながりを欠いた。それでも9回にはつなぎにつなぎ、20人全員を出し切る総力戦で4点を返す猛追を見せた。

 佐々木は最速153キロを誇る仙台育英・背番号10の右腕、湯田統真と対戦で、初回2死走者なしからの第1打席は外角直球を投ゴロ。第2打席は8点を追う4回1死走者なしから。外高めの直球を全力でフルスイングするなど長打狙いでバットを振ったが、最後はチェンジアップで空振り三振に倒れた。第3打席は6回2死一塁と得点のチャンスで迎え、冷静にボールを見極めて一、二塁とつないだ。

 8回は2死一、二塁のチャンスで第4打席を迎えた。初球の141キロをフルスイングも空振り。2球で追い込まれ、3球目は外角いっぱいの直球で見逃し三振に倒れた。ストライクのコールがあった後もしばらく動けず、無念の表情を浮かべた。

 9点を追う9回は、4番・北條からの打順だったが、佐々木は自らにまわってくると信じ、イニングの頭からヘルメットと手袋、ガードをつけて打席に備えた。すると、打線はつなぎにつないで4点を返す猛反撃。なおも2死一、二塁で佐々木に回した。球場中から花巻東への大歓声と拍手が沸く中、暴投で二、三塁とさらにチャンスが拡大。右翼へ抜けそうな当たりを放ったが好守に阻まれた。二塁へ執念のヘッドスライディングも無念のアウト。顔を泥だらけにして最後の夏が終わった。

 甲子園初アーチはならなかったが、今大会4試合で打率・375のハイスコアをマーク。打者としての器用さを見せ、父・洋監督との父子鷹ともなった高校野球に別れを告げた。

 佐々木との一問一答は以下の通り。

 ――最後の打席は
 「正直うれしかったですし、チームメートも自分まで回せってみんなも言ってくれてたので。本当に回ってくるなんて最初考えてなかったですけど、自分まで回ってくるなんて幸せだなって思いましたし、打席はいる前はみんなにありがとうって思ってましたし。全力で振ることが結果どうこうじゃなくて自分としての高校野球人生としての軸だったのでそこだけはぶらさないようにどんどんしっかり振っていこうと思っていました」

 ――頭から突っ込んだが
 「なんとしても1点ずつ重ねて次に回したかったですし、全然あきらめてなかったですし、みんなには申し訳なかったです」

 ――しばらく座り込んでいたが
 「3年間やってきたことが終わってしまうという切なさとか頭の中に巡ってきたんですけど、やってきたことに悔いはないなと思っていましたし、花巻東としてプレーできたことを誇りには思っています」

 ――最後は全力で振れたか
 「そうですね。なかなか結果が出なくて自分自身不甲斐なくて苦しかったが、何が何でも振ることがチームメートにとっての恩返しだと思っているのでそれだけ考えて目いっぱい振りました」

 ――最後ヘルメットつけて待っていた
 「みんなが声かけてくれてましたし自分自身も打席来ると思って準備してましたし、打席回ってきてくれて本当にすごいありがたいなと思ってました。自分自身も最後の打席は何か持っていたなと思っていましたし、ああいう大歓声の中でみなさんが応援してくださる中でバット振れたのは結果以上に自分自身やってきたことに対して悔いはないのかなと思います」

 ――背中の状態は
 「こっちに来てからしっかり練習もできていましたし、自分自身が結果を予選から出せなかったと思っているので。いい結果を残せなくて申し訳なかったなと思います」

 ――土は持ち帰らなかった
 「ここが野球人生としての終わりじゃないですし、花巻東としてもここからが後輩たちがまた岩手から日本一へ、我々が貫いてきたテーマを達成してくれると思っているのでそこを信じて持ち帰らずに次に思いを託しました」

 ――今後の野球人生に関しては
 「まだ全く考えられていないですし、今後自分自身がどう歩んでいくか決めていないので今後のことに関しては岩手に戻ってからゆっくり決まると思います。現段階では自分からは何も言えないですね」

 ――佐々木監督から学んだことは
 「いろいろ自分自身も注目される中でチームメートの中では一番監督さんから怒られてましたし、息子どうこうじゃなくて厳しく指導いただいたと思ってます」

 ――高校野球人生を振り返って
 「結果出ないことが多かったですし、辛い時期の方が多かったですが最後甲子園でプレーできたことがうれしかったですし、たくさん注目もされてここまでこれたのは誇りに思いたいと思います」

 ――まだ野球は続けていくと思うが次のステージに向けては
 「たくさんいろいろな経験させてもらって、1年生の頃から神宮大会や選抜やすごいいろいろ苦しいこと辛いことありましたけど、やってきたことが甲子園出場に報われた感じがありました。自分としても自信につなげていきたいです」

 ――どのような選手になりたいか
 「野球うまいと思ってないですし、レベルの高い人間でもないのでただ自分自身は野球好きですし、注目されて高めてこれたのでこれからも高校野球人生終わりますけどここから今後に向けて、まだ先は決まっていないですけど野球を卓越できるようにさらにレベルの高いプレーヤーになれるように頑張っていきたいです」

 ――甲子園で一本打ちたかった思いは
 「ゲーム終わりましたけど率直に勝てなかったことが悔しいですし、それ捨ててこのチームでプレーすると心の中は変わりなかったので、結果残せなくて悔しい思いはありましたがここでプレーできたことに誇りは持ちたいです」

 ――監督に伝えたいことは
 「監督という立場ですけど自分がここまで来れたのも監督さんの力もあると思ってますし、他にもいろいろ支えてくださってこともあるので感謝しかないです」

 ――3年間で一番成長した部分は
 「ここでやってこれたという、人としてという部分は培ったものは大きかったですし、花巻東の指導方針も野球もできる人間なので日常生活から間違いなく一番厳しかったと思ってますし、この厳しさで大人になれたというか、成長した部分もあると思うので。人として大きく変われたと思います」

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