広澤克実氏 阪神は森下4番起用で点が取れる打線を 佐藤輝が1軍復帰すれば5番で長打力生かせ

2024年06月07日 05:15

野球

広澤克実氏 阪神は森下4番起用で点が取れる打線を 佐藤輝が1軍復帰すれば5番で長打力生かせ
広澤克実氏 Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神1ー4楽天 ( 2024年6月6日    甲子園 )】 【広澤克実 視点】最大7あった貯金が0になった阪神。野村克也、長嶋茂雄、星野仙一らの名将の下で4番を打ち、第一次岡田監督時代には打撃コーチを務めた本紙評論家・広澤克実氏(62)は、スイングスピードが一番ある森下の4番起用を打開策として提言。近本、中野の1、2番でチャンスをつくることが得点への近道とした。佐藤輝が復帰しても「5番が適している」と分析。未来志向のオーダーを訴えた。
 森下4番起用で点が取れる打線を組むしかない。4安打敗戦の現状を見て、打開策はそれしかないと感じた。

 はっきり言って、どの打者もバットが振れていない。そして急に良くなる気配もない。ならば得点ができる可能性の高い組み合わせを考え、その形で我慢をするしかない。

 出場した野手で最もヘッドスピードがあり、バットが振れていたのは森下だ。唯一の明るい材料と言ってもいい。期待外れの空振りもあるが、打席での雰囲気はある。ひと振りで試合の流れを変えるだけのスイングを持っている。

 相手にとっても得点圏で対戦するのが最も嫌な打者だ。岡田監督にとっては物足りない点はまだ多いかもしれないが、将来的にも4番を任せられる力は森下にはある。大山が復帰するまで4番を経験させることは、決してマイナスにはならないはずだ。

 無意識のうちに4番らしくしようと力みが見える近本は、一番落ち着く1番に戻した方がいい。近本、中野の上位打線で森下の前にチャンスをつくる。これが現状で考えうる最も計算できる打順だ。

 佐藤輝が1軍に戻ってきたら、5番で長打力を生かすのが流れ的にもいいと思う。佐藤輝に100点満点をいきなり求めるのも酷。70点くらいの選手として位置づけ、何度かあるチャンスの中で1本長打を打ってくれればOKという流れにすれば、佐藤輝の持ち味も生かせる。

 2軍で結果は出していても、1軍では再び厳しい攻めが佐藤輝を待っている。きわどい球まで打とうとしても、それは無理と割り切り、甘い球を本塁打にできる“間”だけを保つことに集中すれば、チームには貢献できるはずだ。

 貯金はなくなったが、まだ借金はない。ここからだ。シーズン終盤の優勝争いに加わるためにも、今を底にして、ここから上げるしかない。二番底があってはならない。ここまでの過去を振り返ることなく、未来志向で貧打解消にチームとして取り組んでほしい。(スポニチ本紙評論家)

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