初聖地登板で楽天先発・藤井「聖」が躍動! 4勝&プロ初安打初打点 チーム交流戦単独首位

2024年06月07日 05:30

野球

初聖地登板で楽天先発・藤井「聖」が躍動! 4勝&プロ初安打初打点 チーム交流戦単独首位
<神・楽>5回、好投する藤井(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【交流戦   楽天4-1阪神 ( 2024年6月6日    甲子園 )】 楽天・藤井聖投手(27)が6日、阪神戦で8回途中3安打1失点、7奪三振の好投で4勝目を挙げた。人生初登板だった甲子園での初白星に加え、4回にはプロ4年目で初安打初打点となる右前適時打もマークした。今季初の同一カード3連勝のチームは、19年以来5年ぶりの阪神戦3戦全勝。球団初の甲子園での阪神戦3連勝を飾り、交流戦単独首位に立った。
  名前は聖と書いて、まさる。96年生まれでアトランタ五輪にちなんで命名された左腕が、五輪イヤーに聖地・甲子園で阪神打線をきりきり舞いさせた。
 
 初回に2点の援護を受けたが、3回に落とし穴が待っていた。「絶対打たれたらダメだと、力が入って抜けちゃった…」。1死三塁から投手の西勇に高めの直球で中前適時打を浴び、1点差に迫られた。だが、直後の4回2死一、二塁。プロ3度目の打席で、その西勇の144キロ直球を右前へはじき返した。「打たれていたので打ち返してやるぞ」と強い意識で放ったうれしいプロ初安打初打点。塁上で俳優の伊藤英明似の端正なマスクをほころばせた。
 
 名前にも入る聖地では人生初プレー。壁も越えた。今季は6度の先発でいずれも5回までに降板。無失点で球数が80球に満たない状況でも降板があり「信頼を得られるように頑張りたい」と闘志を燃やしてきた。この日は自己最長だった6回も超え、8回のマウンドへ。1死一塁で降板したがチームトップの4勝目を挙げた。
 
 前日は東洋大の2学年後輩となる阪神・村上とグラウンドであいさつを交わした。昨年MVPや新人王などタイトルを総なめにした後輩。「大学に入った時から力の差は歴然だった。凄すぎて頭が上がらない…」と冗談めかしていたが、投打にわたる活躍で先輩の威厳を示した。今江監督も「得意の粘りで本当によく投げてくれた。チームにとっても非常に大きな存在になっている」と称えた。
 球団初の甲子園での阪神戦3連勝。初戦は延長を制し、前夜は9回2死からの逆転勝ち、そしてこの日は先行逃げ切りで昨年の日本一を下した。フロックでも珍事でもない。球団初の交流戦Vへ、12球団の先頭に立った。(花里 雄太)

 ◇藤井 聖(ふじい・まさる)1996年(平8)10月3日生まれ、神奈川県出身の27歳。静岡・富士市立から東洋大―ENEOSを経て、20年ドラフト3位で楽天入団。22年4月28日のロッテ戦で初登板初勝利。昨季は2軍で6勝を挙げ優秀選手を受賞。1軍では10試合で3勝0敗、防御率2.29だった。1メートル76、80キロ。左投げ左打ち。東洋大では中日・梅津、広島・末包らと同期。

 ≪優勝すれば8チーム目≫楽天が阪神に3連勝し、交流戦単独首位に浮上した。交流戦で阪神にシーズン全勝は13年4勝(甲子園、Kスタ宮城各2勝)、19年3勝(倉敷1勝、甲子園2勝)に次いで3度目。甲子園で全勝は初めて。これまで楽天の交流戦最高順位は13年の2位。優勝経験がないのは他に西武、阪神、広島、中日の4チーム。楽天が今季優勝すれば8チーム目になる。

おすすめテーマ

2024年06月07日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム