阪神・伊藤将 最長ブランク51日ぶり3勝 降格後、原点の「壁当て」で自信取り戻した「直球」

2024年06月08日 05:15

野球

阪神・伊藤将 最長ブランク51日ぶり3勝 降格後、原点の「壁当て」で自信取り戻した「直球」
<神・西>先発した伊藤将(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神5-1西武 ( 2024年6月7日    甲子園 )】 阪神・伊藤将が甲子園のマウンドに帰ってきた。7回5安打1失点で4月17日巨人戦以来の3勝目。過去最長ブランクだった21年の46日ぶりを超える51日ぶりの白星を手にした。過去2戦2敗中だった西武から、三度目の正直で初勝利を挙げた。
 「復帰して、自分にとっては大事な試合。その中で7回1失点はよかった」

 7回は痛みにも耐えた。先頭・山野辺の打球(記録は強襲内野安打)が直接、左膝を襲った。苦悶(くもん)の表情を浮かべ、一時はベンチに引き下がったが、数分後にマウンドに帰還した。その後は2死三塁のピンチを背負ったが、代打・炭谷を二飛に抑えた。

 「痛って感じで。大丈夫だったので行きますと。あの中で抑えられたのはよかった」

 直球の強さが際立った。5回、1点を失い、なおも2死満塁とした場面。滝沢に対してカウント1―1から4球全て直球を選択して二ゴロに仕留めた。お立ち台でも、「自分のストレートを信じて投げることができた」と満足げに振り返った。

 信じられるストレートは、壁当てで作り上げた。降格後すぐは、昨年の直球を求めて映像を見返したものの、「去年みたいに戻そうというのは難しかった」と断念。今の体に合う直球の威力向上方法を考えた結果、壁当てに行き着いた。「いいときの真っすぐは指先に引っかかる感じがある。短い距離で強く投げて、その感覚を思い出したかった」。練習で少しでも暇ができれば、鳴尾浜球場のフェンスに、至近距離からボールをぶつけた。映像やデータなどの最新機器ではなく、幼少期から慣れ親しんだ練習法が、直球の出力を取り戻させた。

 奪った21アウトのうちゴロアウトは11個。打たせて取る投球も健在だった。11個のうち4個は、同じく昇格したばかりの佐藤輝がさばいた三ゴロ。「切れのある守備をしていて、“反省しているな”って思った」と笑った。同期入団の20年ドラフト1位、2位が共闘で貯金1をもたらした。(松本 航亮)

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