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孝行息子!二刀流・矢沢 母の前でプロ初勝利 日本ハム・新庄政権最速の30勝到達にも貢献

2024年06月08日 06:00

野球

孝行息子!二刀流・矢沢 母の前でプロ初勝利 日本ハム・新庄政権最速の30勝到達にも貢献
<ヤ・日>プロ初勝利の矢沢(右)は新庄監督に祝福される(撮影・村上 大輔) Photo By スポニチ
 【交流戦   日本ハム5-4ヤクルト ( 2024年6月7日    神宮 )】 二刀流左腕の日本ハム・矢沢は肝が据わっている。昨年10月に右有鉤(ゆうこう)骨骨折を負い、人生初の手術を経験した。手術台の上は緊張するはずだが「気持ち良かった」と麻酔の効果もあっていびきまでかいて眠っていた。その強心臓がプロ初勝利を手繰り寄せた。
 「うれしい。ブルペンも外にあるので、変な緊張感もなく、意外とすんなりいけた」

 4―4の延長10回に6番手でマウンドへ。先頭・中村への四球から1死二塁を招いた。サヨナラのピンチだが、慌てない。西川を空振り三振、川端を二ゴロに仕留めた。直後の延長11回に敵の暴投で勝ち越し。プロ2年目、通算15試合目での初白星が舞い込んだ。5日の広島戦は救援で2/3回を投げ4四球を与えて3失点で降板しており「絶対、0点で帰ってくると思っていた」と悔しさを晴らした。

 投打二刀流の22年ドラフト1位。昨季は主に打者として37試合に出場し、投手では2試合の登板のみだった。体づくりをメインにし、ウエートトレーニングに励んでいたが「張りが残って体が動かなかった」という。このオフはウエートの量を減らし、体の連動を意識したトレーニングに注力した。昨季は平均144キロだった直球は今季は147キロにアップするなど状態が良いため、ここまでは投手に専念。「去年はうまくいかなさすぎたけど、今年は充実している」と“投の刀”は切れ味を増した。

 母・香さん(47)も観戦に訪れる中で、日体大4年秋にプレーすることができなかった神宮での登板が記念日になり「(ウイニングボールは)家族にあげます」とはにかんだ。チームは54試合目で30勝に到達。昨季は65試合、一昨年は79試合で新庄政権で最速だ。今季の球団最長となる4時間33分の激闘を制し、新庄監督は「これが最高の思い出になると思う」と称えた。矢沢も「どんどん投げたい」と前のめり。2年目を迎えた左腕の進化は止まらない。 (田中 健人)

 ◇矢沢 宏太(やざわ・こうた)2000年(平12)8月2日生まれ、東京都町田市出身の23歳。6歳から野球を始め、藤嶺藤沢(神奈川)では1年夏からベンチ入りし同年秋からエースも甲子園出場なし。高校通算32本塁打。日体大では2年秋に外野手、3年秋に投手、4年春にDHでベストナイン。22年ドラフト1位で日本ハム入り。1メートル73、71キロ。左投げ左打ち。

《Aクラス確率92%に!》
 ○…日本ハムがソフトバンクに続く両リーグ2番目で30勝に到達。開幕54試合目までに30勝目を挙げるのは18年以来13度目で過去12シーズンの最終順位を見ると優勝3回、2位6回、3位2回、4位1回。Bクラスは一度しかなく、Aクラス入りの確率は92%だ。なお、新庄監督の30勝到達ペースは22年が79試合目、昨年が65試合目だった。

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