阪神・佐藤輝で連敗脱出 復帰即マルチ&華麗守備「起爆剤になってくれ」指揮官の指令に燃えた

2024年06月08日 05:15

野球

阪神・佐藤輝で連敗脱出 復帰即マルチ&華麗守備「起爆剤になってくれ」指揮官の指令に燃えた
<神・西>2回、佐藤輝は中前打を放つ(投手・与座)(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神5-1西武 ( 2024年6月7日    甲子園 )】 阪神が7日、西武戦(甲子園)に5―1で快勝した。5月19日ヤクルト戦以来、15試合ぶりの5得点で、8カードぶりにカード初戦を白星で飾り、甲子園での連敗も「6」で止めた。立役者は24日ぶりに1軍昇格し、2安打1得点した佐藤輝明内野手(25)だ。再三の好守でも勝利に貢献。岡田彰布監督(66)から直々に火付け役を託された男が、聖地で鮮やかに燃えた。
 誰もが待ち望んだ大砲の名が、甲子園の青空に響き渡った。「5番、サード、佐藤輝明」――。大歓声を全身に浴び、真っさらなグラウンドへ駆け出した。2回の第1打席。カウント1―2から与座の外角直球を中前へ。帰還を告げる快音だ。

 「センター方向を意識して、いい当たりが出た。先制点につながってよかった」

 渡辺の中前打、坂本の犠打で三進後、今度は魂の激走を披露した。木浪の一塁正面のゴロに一度はストップをかけながら、中村剛のファンブルを逃さず、猛然とヘッドスライディングで本塁へ。「スタートが少し遅れた。何とかセーフに、というところでああいう感じに」。先制の生還に、黒土で汚れた胸を誇らしげに張った。5回1死の第3打席にも右前打。復帰戦をマルチ安打で飾った。

 1軍は前日6日の楽天戦で今季初の同一カード3連敗。交流戦8試合で1勝7敗、平均1・6得点で勝率も4月18日以来の5割に逆戻り。降格後はウエスタン・リーグで17試合に出場して打率・318、2本塁打の背番号8が、貧打を極める猛虎の救世主を託された。この日の練習前、監督室で虎将から「起爆剤になってくれ」と指令を受けた。心は燃えていた。

 5月14日中日戦(豊橋)、敗戦に直結する平凡な落球が岡田監督の怒りを呼び、翌15日に出場選手登録を抹消。信頼を取り戻すべく鳴尾浜球場で泥にまみれ、必死に声を出した。「(声が出ている?)やるだけなので…」。取り組む姿勢から見直し、ノックの雨に打たれた成果が出た。4回先頭・滝沢の三塁線のゴロを鮮やかなランニングスローでさばき、2死後、中村剛のゴロをすくい上げ、低く鋭い送球を一塁へ。5回1死の山野辺のゴロも華麗に処理。鍛錬を重ねた23日間は、万雷の拍手で報われた。

 「いいプレーが出たのでよかった。継続して、打つ方も守る方もやっていきたい」

 この夜も含め、1日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦(鳴尾浜)から6戦連続で1打席目に安打を放った。指揮官も「集中しているということ」と、打線の活況を呼んだ25歳にうなずく。「甲子園の歓声は凄い。力に変えてプレーできた」。心技体、全てで生まれ変わった。首位・広島とは2差。逆襲の準備は整った。(八木 勇磨)

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