辛坊治郎氏 京アニ事件の被告に死刑判決の裁判員を称賛「心理的ハードルは非常に高いですから」
2024年01月25日 19:34
芸能
裁判官に加え、裁判員として6人の一般人が加わった裁判員裁判で、極刑が出された。辛坊氏は「今回は事件が大きかったので、数カ月この事件にかかりきりで。最後やっぱり死刑判決…どんなに悪いやつだと思っても、死刑判決というのは心理的ハードルは非常に高いですから、今回担当された裁判員の皆さんには本当にご苦労様でしたと申し上げたい」と、裁判員への敬意を表した。
被告に刑事責任能力があるかどうかが、今回の裁判の最大の争点。最終的には「被告は心神喪失でも心神耗弱でもなかった」と、責任能力が認められての有罪判決だった。辛坊氏は「裁判が始まって心神喪失で無罪になるケースは、年間1つか2つです」と説明。「年間300件以上が、年によって違いますけど、起訴される前に検察官の判断で、刑事責任能力がないので起訴しないんですよ」と理由を明かした。また「心神喪失の場合に何で無罪かというのは、近代刑法が世界中どこでもそうだからというのが一番簡単な理由」と説明しつつ、「一般にはかなり理解しがたい」とも話した。
青葉被告自身も火災で体の9割以上に重度のやけどを負い、瀕死の状態から医師の治療によって命を取り留めた。辛坊氏は「我々の持っている常識で言うと、人体の何割以上のやけどを負った場合には、残念なことに命がなくなるというのが一般的な認識なんだけど、9割以上のやけどを負いながら、今の医療はすごいねという話で…。間違いなくその段階であきらめちゃうというレベルのやけどなんだけど、今回お医者さんが頑張って、命を長らえさせた」と話し、「精神鑑定で責任能力が認められたら、間違いなく死刑判決が出るだろうという被告の治療に対してもいろんな意見があるだろう」と、賛否が分かれることにも理解を示した。
36人が死亡、32人が重軽傷を負った凄惨(せいさん)な事件。辛坊氏は「残念なのは、失われた命は戻って来ない。全身大やけどを負いながら残りの人生を歩んでていかなくてはいけない方も大勢いらっしゃる。正直、言葉にならないことがありすぎる」と、言葉に無念さをにじませた。