京アニ事件、被告に死刑判決 清原博弁護士「やむを得ない」見解も…社会の問題指摘「孤立防げたんじゃ」

2024年01月25日 15:07

芸能

 国際弁護士の清原博氏が25日、TBS系「ゴゴスマ~GO GO!smile~」(月~金曜後1・55)にコメンテーターとして電話出演し、36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件の判決公判について解説した。
 19年7月、京都アニメーションのスタジオに放火し、社員36人を差具体した罪などに問われた青葉真司被告(45)に対し、京都地裁はこの日、求刑通り死刑判決を言い渡した。争点だった青葉被告の刑事責任能力について、裁判長は「被告は心神喪失でも心神耗弱でもなかった」とした。

 判決について清原氏は、「死刑判決が出たというのは、責任能力がある以上、今回の件ではやむを得ないだろうと思います」と話した。「遺族や被害者の方々の気持ちを考えれば、死刑であっても何ら救われるものではないということも分かっております」と認めつつ、「我々として、こういった事件が起きないためにはどうしたらいいのか?ということを、今回の件でしっかり学ばないといけないかなと思います」と、肝に銘じる覚悟を示した。

 一方で、青葉被告のような人を救えるような社会であったかについては、疑問を投げかけた。「青葉被告は確かに犯罪者です。しかし、福祉の観点からすれば支援が必要な人なんです。コンビニ強盗を犯して、服役して出てきた。出てきた時に、実は社会の居場所を見つけるための支援を受けているんです。ところが、青葉被告はそれを断ったという経緯があります」。青葉被告が12年に実刑判決を受け、服役したコンビニ強盗事件について言及した。

 青葉被告が支援を断ったことについて、清原氏は「断った青葉被告が悪いんだというふうに片付けてしまっては、この問題は解決しないわけです」と指摘。「なぜ断ったんだろうかということ。今の日本の社会が、罪を犯した人、服役した人が出てきたら、居場所が本当にあるのだろうか?社会全体で、そういう人たちを受け入れる体制ができていたのだろうか?本人がたとえ支援を拒絶しても、つながりを持とうという社会側からの働きかけがあれば、孤立、孤独を防げたんじゃないだろうか?」と問題点を列挙した。

 その上で、「青葉被告の問題ではあるけども、社会全体で抱えている課題として、こういった犯罪を犯した人をどうやって居場所を見つけてあげるか、つながりを持とうとするのか、我々が考えなくてはいけない。そういう事件だったと思います」とまとめた。

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