山本陽子さん死去 81歳 お茶の間に親しまれた名女優 幾つか浮名も生涯独身、熱海の別荘で余生送る

2024年02月22日 11:27

芸能

山本陽子さん死去 81歳 お茶の間に親しまれた名女優 幾つか浮名も生涯独身、熱海の別荘で余生送る
女優の山本陽子さん Photo By スポニチ
 「放浪記」「おはん」などの舞台をはじめ、映画やドラマで清楚(そ)な役から悪女まで幅広く演じて存在感を示した女優の山本陽子(やまもと・ようこ)さんが死去した。81歳。東京都出身。幾つか浮名も流したが、生涯独身を通した。2012年から第二の人生を楽しむため、静岡県熱海の別荘で余生を送っていた。
 和服の似合う美人女優として知られ、山本海苔店のイメージモデルを半世紀以上も続けてお茶の間にも親しまれた山本さん。有名な車好きでもあり、23年2月4、11日に前後編で放送されたBS日テレ「おぎやはぎの愛車遍歴 NO CAR,NO LIFE!」にも出演して元気な姿を見せていた。今年2月2日放送のテレビ朝日「徹子の部屋」が生前最後の出演番組となった。

 高校を卒業して野村證券に就職し、OL生活を送っていたが、1963年に知人が日活に山本さんの応募書類を送ったところ、合格の通知。第7期ニューフェイスとして入社し、同年「光る海」の女子学生役でデビューした。同期に西尾三枝子、谷隼人らがいた。

 当時の日活には吉永小百合、松原智恵子、和泉雅子の「三人娘」がいて、彼女たちの勢いに押されてなかなか作品には恵まれなかったが、テレビドラマに軸足を移してから才能が開花した。

 65年から66年にかけて放送されたTBS「ナショナル劇場 七人の孫」では和服姿の楚々とした女性を演じ、これを見そめた山本海苔店の社長が同社CMへの出演をオファー。67年から22年まで実に55年にわたって続き、42年を過ぎた2010年に「専属タレント契約の世界最長記録」としてギネスに認定され、以降も更新を続けていた。

 71年には森光子さん主演「放浪記」の「悠起」役で初舞台を踏み、80年の「花埋み」で初主演。94年の「おはん」の演技で第19回菊田一夫演劇賞を受賞。06年には「いろどり橋」で名古屋演劇ペンクラブ賞を贈られた。08年、09年には「放浪記」の舞台で「日夏京子」役で上演回数2000回の記念舞台に出演し、花を添えた。

 また女優・大地真央の熱烈ファンで、21年に舞台「夫婦漫才」で夢の初共演を果たした。全国4カ所で公演し、「真央さんと毎日同じ舞台に立てたことはこの上ない喜びでした」とコメントを残している。

 山本さんは生涯独身を通したが、何度か恋愛スキャンダルで話題を提供した。まず73年放送のTBS「白い影」で共演した田宮二郎さんとの不倫疑惑。作家・渡辺淳一氏の「無影燈」を原作に、倉本聡氏らが脚本を手掛けたドラマで、病に蝕まれた外科医と看護師の悲恋を描いた物語。山本さんは田宮さんとの関係を認めなかったが、公然の秘密と見られていた。

 不惑も過ぎた83年には21歳年下の沖田浩之さんとの交際が世間を騒がせた。毎日放送のドラマ「愛を裁けますか」(82年)で共演したのが縁で恋に陥り、関係者によれば、山本さんも一時は真剣に結婚を考えたが、結局実を結ばなかった。

 古希を迎えた頃から熱海での生活をスタートさせ、仕事がある時だけ上京するスタイルを続けた。ゴルフ、乗馬、麻雀、骨董品収集、日本画と多趣味で、大の車好き。20代後半で赤のポルシェ、30代でジャガーを所有し、最後に購入したジャガーは手間暇を掛けて30年以上も乗っていた。

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