カズ長男が朝ドラ初出演 「ブギウギ」現場で「三浦温泉」作務衣風私服
2024年02月29日 08:15
芸能
柴本タケシ役を射止めた発端はスズ子の弟・六郎役のオーディションを受けていたこと。六郎役は俳優の黒崎煌代(21)となったものの、その後に脚本の中で新たな登場人物としてスズ子の新マネジャーが浮上し、白羽の矢が立った。
「何の話題かは忘れたが、オーディションの時、三浦くんと雑談で盛り上がった。六郎役はもっと年齢が下の方が良かったので若い黒崎くんに決まったが、三浦くんは親しみやすく真っすぐな好青年という印象で、みんなの頭の中に残っていた。タケシは真っすぐな感じが大事な役なので、三浦くんが良いのではないかということになった。三浦くんなら昭和っぽさやお調子者の感じも出せると思った」(福岡)
三浦にとっては初めての朝ドラ。撮影初日は現場で緊張感をあらわにしていたという。
「『今までブギウギを見ていたのでドキドキしています』と話していた。『三浦温泉』と書かれた、作務衣のような服を着ていたので『普段、そういう所で働いているの?』と聞いたら『いえ、温泉があまりにも好きなので、温泉で働いている人風の服を作ってみました』と答えが返ってきて、面白い人だと思った。現場では礼儀正しく明るく、誠実に一生懸命演じてくれた。本人は緊張していたが、タケシも最初の頃はスズ子を前に緊張しているので、それが生かされてドラマ的に面白くなった」(同)
タケシはスズ子のマネジャーを長年務めた山下達夫(近藤芳正)のおい。山下の「自分は年を取ったのでスズ子に迷惑をかける前に辞めたい」「これからはスズ子に若い人を引っ張って行ってほしい」との思いから、新マネジャーを言いつかった。
「ドラマも終盤に入り、このあたりが世代交代を描く良いタイミングだと考えた。笠置シヅ子さん(スズ子のモデルとなった歌手)は当時30歳代半ばだったが、その時代としてはベテラン歌手の域に入っていて、資料を読むと、その頃実際に若い歌手や若い役者、若いスタッフの相談によく乗って熱心に教えたり話したりしていたようだ。このドラマは家族や生活もテーマにしているので、世代交代を描く時の象徴的な人物として、スズ子の家族や生活に近いマネジャーが良いのではないかと思った」
つまり、三浦はこのドラマの中で「世代交代の象徴」という重要な役割を担っているわけだ。
「三浦くんは本当に好青年で、現場で愛されている。スタジオには大きな声で『おはようございます』とあいさつしながら入って来た。趣里さんとは偶然にも所属事務所が同じで、趣里さんとしてはかわいい後輩という感じで、撮影の合間には仲良く楽しそうに話していた。視聴者のみなさんに『成長』を感じて頂くキャラクターを、三浦くんに演じてもらって良かったと思っている」
第105回の終盤で、タケシはスズ子の歌唱練習中に居眠りをしてしまい、スズ子を激怒させる。今後、スズ子がどのように対応し、タケシがどのように成長していくのかが、この作品の見どころの一つになりそうだ。
◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部専門委員。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。