伊藤匠七段(21)が11日、東京・将棋会館で第9期叡王戦本戦準決勝に臨み、青嶋未来六段(29)に102手で勝利して挑戦者決定戦へ進出した。藤井聡太叡王(21)=王将など8冠=への挑戦権をかけ、永瀬拓矢九段(31)と対局する。5番勝負は例年4月開幕。
午前10時開始の対局は振り駒の結果、青嶋が先手。タイトル戦初出場を期す青嶋が向かい飛車を選択し、お互い穴熊の堅陣を敷いた。桂得から角得と駒得を拡大していった伊藤が64手目、ついに大駒4枚を手中にする。カナ駒の不足は馬を自陣へ引き付けて補い、最後は中段王でしのぎ切った。
伊藤は現在第3局を終えた棋王戦5番勝負でも同学年の藤井に挑み、2敗1分。後がなくなった第4局は、17日に栃木県日光市で指される。永瀬との挑戦者決定戦は昨秋竜王戦以来となった。