“大谷包囲網”9年ぶりPO進出へ正念場の2カ月…ライバル球団が投手陣続々強力補強、トレード期限終了

2023年08月03日 02:30

野球

“大谷包囲網”9年ぶりPO進出へ正念場の2カ月…ライバル球団が投手陣続々強力補強、トレード期限終了
<ブレーブス・エンゼルス>ライバル球団が投手陣を協力補強。“包囲網”を突破し、PO進出を狙う大谷(撮影・沢田 明徳)  Photo By スポニチ
 大リーグは1日米東部時間午後6時(日本時間2日午前7時)にトレード期限を迎えた。最大の目玉だった通算250勝右腕のメッツのジャスティン・バーランダー投手(40)を、昨年まで所属したアストロズが獲得した。大谷翔平投手(29)が所属するエンゼルスにとって、ア軍は同地区のライバル。ア軍を筆頭にア・リーグ上位球団は次々とトレード補強を敢行し、プレーオフ(PO)争いの激化は必至の状況となった。
 トレード期限の3時間前に、米メディアが相次いで速報した。バーランダーが、昨季まで所属した古巣アストロズへトレード復帰。サイ・ヤング賞3度の剛腕のトレードは、同じア・リーグ西地区のエンゼルスにとっても脅威となる。

 7月後半から活発になったトレード。終わってみればアの上位球団が、次々と補強に成功した。エ軍が所属する西地区首位のレンジャーズは、バーランダーと同じくメッツから通算210勝右腕のシャーザーを獲得。さらに先発左腕のモンゴメリーの補強にも成功した。7月27日に「プレーオフを目指して頑張りたい」としていた大谷だが、西地区3位で球団9年ぶりのPO進出へ、やっかいな存在となる。

 エ軍も最後まで補強に動いた。期限1時間前にメッツから通算384試合登板の救援右腕リオーネを獲得。既にホワイトソックスから先発右腕ジオリト、救援右腕ロペス、ロッキーズからクローン、グリチェクの右の強打者2人を加えていた。この日特集された大リーグ公式サイトの「トレード期限の勝者7球団」の記事でも、エ軍は勝者7球団に加えられた。だが、同地区のレンジャーズ、アストロズ以外にも、レイズがガーディアンズから先発右腕シバーレを獲得。ブルージェイズも160キロのシンカーを武器とする救援右腕ヒックスを加えるなど、ア・リーグは投手を中心に強化が進み、“打者・大谷包囲網”のようになった。

 勢力図が決まった8月。エ軍はPOを争う球団との直接対決が続く。11日(日本時間12日)からはいずれも敵地で地区2位のアストロズ、同首位のレンジャーズとの6連戦。オフを挟んで18日(同19日)からは、WC争いトップのレイズと本拠地で3連戦を戦う。

 昨季はレイズが86勝で、フィリーズが87勝でWC「最後の3番目のイス」を勝ち取った。1日(同2日)時点で56勝52敗のエンゼルスは、最低でも残り54試合で約30勝が必要。「このチームでプレーオフに行きたい。そこで勝ちたい」と意気込む大谷にとっては、正念場の2カ月になる。(柳原 直之)

 ≪メッツ大谷獲り“撤退”≫シャーザーに続き、バーランダーも放出したメッツが、今オフFAとなる大谷の争奪戦からも後退する見込みだ。両エースだけでなく抑えのロバートソンや外野手のファムらをトレードで手放し、チームを解体。大リーグ公式サイトはメッツが今オフも積極的補強を見送り、25年以降の巻き返しを目指すと分析した。昨オフ、総年俸で史上最高額の2億9980万ドル(約430億円)の補強を行ったが、借金6で地区4位と低迷している。

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