関西大学野球リーグ

【関西六大学野球のキーマン】神院大・藤井　オリ宮城と阪神・伊藤将が手本のノーノー男　150キロも視野

2024年04月03日 10:00

野球

　1メートル70の左腕が打者の左右を問わず、こん身のストレートで内角をえぐる。神院大・藤井基（4年）は、昨秋の大院大戦でリーグ史上11人目のノーヒットノーランを達成した。

　「うれしかったですけど、守備がよく守ってくれたおかげです」。謙虚に振り返る快挙の1勝。ただし、秋はこの1勝で終わったことがもどかしい。「野球は投手が勝敗を握っています。味方の得点が1点だけでも勝てるように、リズムよく投げていこうと心がけています」。2年秋には大商大の上田大河（現西武）と投げ合って2―0で完封勝ちした。これが、まさに理想の試合だった。

　お手本は、オリックス・宮城と阪神・伊藤将。宮城も1メートル71と小柄だが、「同じくらいの体格なのに三振を奪う術（すべ）を持っている」。冬場は体のキレを良くすることと最速147キロから「150キロを超えたい」をテーマに、今季から加わったチームのトレーナーと体づくりを見直した。結果、60キロ台だった体重も72キロに増えて一回り成長。新たにカットボールも習得中で、投球に幅を持たせて三振を奪う。

　伊藤将に注目している理由は「ピンチでも動じない。あのコントロールは凄い」から。藤井の信念「9回を100球前後で試合をつくること」に通じる。勝ち点を奪うためにも「1回戦で投げて、3回戦でも任せてもらえるようにしたい」。1試合では到底、消耗しきれない“投志”を、制球の向上によって完全燃焼させる算段。最終学年、左腕エースが高みを目指して投げまくる。

　◇藤井　基（ふじい・もとき）2003年（平15）1月21日生まれ、神戸市出身の21歳。小3時に箕谷少年野球部で野球を始め、当時は中堅手。中学では箕谷シニアでプレー。神戸学院大付入学後に本格的に投手に転向。3年夏は兵庫県独自大会4回戦敗退。甲子園出場経験なし。1メートル70、72キロ。左投左打。