関西大学野球リーグ

【近畿学生野球のキーマン】和歌山大・岡「劣勢の時は自分のバットで」　春の3本塁打超えを誓う

2023年09月01日 10:00

野球

　近畿学生野球連盟（KBL）の1部秋季リーグ戦はあす2日に開幕する。1948年に創設され、国公立、私学あわせて18校で活動する連盟は「文武両道のリーグ」と呼ばれ、フェアプレーの精神を重んじる。ここ5シーズンは21年春から和歌山大、神戸大、和歌山大が制覇し、昨秋、今春と大阪公立大が2連覇するなど国公立大勢が躍進。巻き返しを期す奈良学園大、大阪観光大、阪南大の私学勢も含め、精鋭6校が覇権を争う秋。各校の注目選手を中心に紹介し、展望した。

　ラストシーズンに求めるものはただ一つ。2022年春以来の覇権奪回に向け、和歌山大の主軸を担う岡は勝敗を左右する効果的な一打にこだわりを持ち続ける。

　「チームを勝たせる選手になる。劣勢の時は自分のバットで流れを変えられるように」

　3位に終わった今春は、開幕時の7番から最終的に4番に座るなど初めて全12試合に先発。打率こそ・211（38打数8安打）も優勝した大阪公立大のエース正中からのソロを含めて3本塁打し、11打点を記録した。

　ただ、満足感はない。リーグ戦前の河川敷での練習時に堤防ですれ違った大原弘監督から「おまえで3試合勝て」と極秘ミッションを与えられた。自己採点は、開幕戦だった大阪観光大1回戦における決勝の逆転3ランと奈良学園大1回戦の2―0からダメ押しとなる適時三塁打を放った2試合だけ。勝たせることの難しさを実感する春でもあった。

　「同じ相手とやるのでデータ分析などで研究もされる」

　持ち味である長打力を相手も“消しにくる”のは明白で、一振りで仕留める確率を上げるべく、日々、相手バッテリーの攻め方をイメージしてバットを振る。

　「試合を重ねるごとに、流れを読む力というか、その試合でのターニングポイントを感じられるようになってきた」

　経験は決して無駄ではない。“感じた時”にどれだけ結果を残せるか。指揮官からの指令をクリアするためには、春の1試合分を上乗せする必要がある。（吉村　貢司）