【王座戦】藤井王座 最年少全冠防衛 羽生九段の記録を4年余り更新
2024年09月30日 23:46
芸能
永瀬の先手で始まった対局は、戦型が3局連続の角換わり。66手目、藤井が地下鉄飛車を稼働させ、2筋で飛車が向き合った。
相入王もちらつく熱戦は112手目、永瀬が53分を残すのに対し、藤井が1分将棋へ突入。永瀬は上部から詰めろで迫った。後がなくなった藤井は146手目、9筋の永瀬王へ香で王手。この勝負手に、永瀬が歩を打たず桂を跳ねていたら、藤井の寄せは続かなかった。逆に、藤井王への詰めろが解除されてしまった。
「読んでなかった」。頭をかき、右拳で膝を叩いた永瀬の嘆息が、藤井の大逆転勝ちを物語った。
「最後の最後で勝ちになった。シリーズを通して難しい将棋が多く、収穫も多かった」。前期、史上初の全8冠独占を成し遂げた同ホテルでの史上最年少全冠防衛。その棋史に、京都の地は深く刻まれた。
そして10月5日からは佐々木勇気八段(30)を挑戦者に迎える竜王戦7盤勝負が開幕する。「最近の対局を見ると、鋭さに手厚さも感じる。一手一手読みを入れて充実した将棋を指せれば」。わずか中4日。絶対王者は次の戦いへ視線を移した。