こだわり旬の旅
【群馬・上野村】関東最大級・不二洞リニューアル!色とりどりの光に誘われ…40分の幻想地中散歩
2024年06月04日 15:00
社会
![【群馬・上野村】関東最大級・不二洞リニューアル!色とりどりの光に誘われ…40分の幻想地中散歩](/society/news/2024/06/04/jpeg/20240604s000423D3247000p_view.webp)
長さ225メートル、高さ90メートルと歩行者専用道路としては全国有数のスケールで、吊り橋のイメージは全くない。しかも、6月上旬までは紫の藤の花をイメージした飾り(同下旬~8月は風鈴)で彩られ、美しい姿をさらに際立たせている。
この日は強風だったが、少しも揺れることはなく、周囲には鮮やかな緑の森林、眼下には渓谷美が広がる。いくら見ても飽きることがない景観。午前10時から午後3時半までは30分おきにシャボン玉が舞う風景を見ることもでき、雄大な自然を満喫しながら空中を散歩しているような気分だ。
ブリッジを渡り終えて階段や山道を登ること約10分。ようやく不二洞に到着し入り口の扉を開けると、黄、緑、紫などカラフルな色が点滅し、様々な模様が壁に映し出される全長120メートルのトンネル。プロジェクションマッピングなどによる光と音と映像の演出で、まさしく異次元の空間に誘われるようだ。
のれん状の仕切りをくぐると、いよいよ本番。洞窟は縦穴状で、ライトアップされた148段のらせん階段を登りきると、トンネル以上の幻想的な世界が待っていた。
かつて水が流れたり、たまったりしていた「大天井水穴」はブルーライトで照らされ、7度なでて願をかけると願い事が叶うという石柱「閻魔の金剛杖」は銀色に輝く。また、そそり立つ洞内最大3メートルの石柱「灯の柱」や最大規模の石筍「蓮華の塔」は乳白色に演出されるなど、色とりどりの光に照らし出された奇観に思わず息を呑む。気温10度。時折コウモリも飛び交い、スリル満点の約40分の地中散歩だった。
伝説によると、洞内に仏教にちなんだ名前が多いのは、約400年前に地元の吉祥寺の僧が探検したことから。不二洞の名称は約200年前、疫病が流行した際に同寺住職が石にお経を書いてこの洞窟に収め祈願して鎮めたことから、災いが二度とないように付けられたというが、それを聞いて現代の疫病、コロナとオーバーラップ。出口で洞窟を振り返り、そっと手を合わせた。
▽行かれる方へ 上信電鉄下仁田駅からタクシーで約30分。車は上信越道下仁田ICから約40分。スカイブリッジの通行料100円。不二洞の入洞料800円。問い合わせは上野村産業情報センター=(電)0274(20)7070。