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死去の元阪神・横田さん 天然キャラと愛くるしさで仲間から愛された

2023年07月19日 05:15

野球

死去の元阪神・横田さん 天然キャラと愛くるしさで仲間から愛された
19年9月、引退セレモニーで(手前左から)高山、北條、中谷の騎馬にまたがり、マウンドに向かう横田さん Photo By スポニチ
 阪神で14年から6年間プレーし19年に現役引退した横田慎太郎(よこた・しんたろう)さんが18日、死去した。28歳。鹿児島県出身。現役引退の原因にもなった脳腫瘍が昨年に再々発。治療を終えて今春から療養に入っていた。
 「北條さん、やめてください!」「中谷(将大)さん、それはキツいです!」。今も、そんな声が聞こえてきそうだ。生前、横田さんはその天然キャラと愛くるしさで、仲間からもとびっきりの愛情を受けていた。

 プロ入り後、兄貴分となっていたのは、同じ高卒の北條と中谷。愛のあるいたずらに何度も顔をしかめるシーンも見てきたが、食事の席では野球だけでなくプライベートでの悩み事など、何でも相談できる関係だった。

 引退後、顔を合わせる機会は減ったが北條は横田さんの誕生日になると必ず連絡を入れている。「誕生日おめでとう!もう、いい歳なんやから彼女ぐらいつくれよ~」。昨年、愛ある祝福メッセージをうれしそうに見せてくれたこともあった。引退直後の19年12月には、結婚を発表したばかりの北條の自宅を直接訪問し「おめでとうございます」と伝え、「ヨコがこの前家に来たんですよ」と北條もうれしそうだった。

 16年の開幕スタメンで1、2番コンビを組んだ高山、鳴尾浜で過ごす時間も長かった板山と大卒組の先輩たちも慕った。そして、同期入団の岩貞、陽川、梅野、岩崎は1軍で活躍する頼れる“お兄ちゃん”。「高卒ですけど、自分もあの先輩方に負けないように…」と背中を追いかけた。

 同郷の大先輩・福留孝介とは3年目の春季キャンプで初めて会食。「めちゃくちゃ緊張して。あの福留さんとご飯食べてるんだって」と興奮しながら教えてくれた。鳥谷敬とはナイター後に室内練習場で一緒にマシン打撃に取り組んだ夜があった。その後、1軍で安打を放つと「練習してたから打てたんだ。野球の神様は見てるんだよ」と肩を叩かれた。

 周りには常に笑顔があふれ、野球への真摯(しんし)な姿勢が仲間の心も打った。背番号24の、最も誇れる長所だった。 (遠藤 礼)

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