【フレッシュ球宴】広島・中村貴浩 独占手記「楽しかった」「後半戦も1軍に呼んでもらえるよう」

2023年07月19日 05:00

野球

【フレッシュ球宴】広島・中村貴浩 独占手記「楽しかった」「後半戦も1軍に呼んでもらえるよう」
フレッシュオールスター<全ウ・全イ> 5回2死、中村貴は左前打を放つ(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【フレッシュオールスターゲーム2023   ウエスタン選抜7―3イースタン選抜 ( 2023年7月18日    富山市民 )】 広島・中村貴浩外野手(23)が18日、フレッシュオールスターゲームに「2番・左翼」で先発出場。打っては3打数2安打、守備では好送球で得点を阻止するなど、若手のホープが集まる舞台で存在感を示した。1年目の今季は5月に支配下登録され、1軍デビューを果たした。同名の新井貴浩監督(46)も期待を寄せる若ゴイが、本紙に手記を寄せた。
 フレッシュ球宴は率直に楽しかったです。欲を言えば、長打を打ちたかったですが、甘い球が来なかったので仕方ないです。

 普段、相手チームにいる選手が同じチームにいるのは不思議でしたが、ソフトバンク・生海や渡辺陸、中日・浜らと、たくさん話ができました。結果的に、2安打を打つことができました。ベンチでは九州国際大付の同級生でもある生海から「よう打つね~。さすが天才」と言われたり、終始、楽しい雰囲気でプレーできました。

 もう一つ、うれしかったことがあります。8回の守備で本塁で補殺を記録したことです。ラッキーなアウトでしたが、(ウエスタン・リーグ選抜を指揮した)和田監督にも褒めていただき“よし!また頑張ろう”と気持ちが引き締まりました。

 今年は支配下になることが目標でした。それはかなえられたので、今はレギュラーを取るという目標に切り替わりました。来年からレギュラーを獲るという気持ちではなく、明日からレギュラーを獲るという気持ちでやっています。

 僕は新井監督と一緒の名前の「貴浩」で、新井さんも監督として1年目で、僕も1年目。何かの縁なのかなと感じていました。前半戦に1軍でプレーした時も緊張せずにプレーできました。なぜなら監督が「思い切っていけ」と背中を押してくれたからです。5月19日の阪神戦から先発で起用してもらって、26打数3安打。それでも「いい当たりが出ているから大丈夫。名前が一緒だから大丈夫だ」と励ましてくださり、前を向けました。

 これまでも苦しい時期はありましたが、周りの方々の支えに助けられました。特に九産大では打撃フォームが定まらず、試行錯誤していました。3年夏のオープン戦では、調子が上がらず、プロスカウトの方たちが見守る前でも結果が残せていませんでした。そんなある日、僕の中ではボール球だと思った球をストライクと判定され、見逃し三振したことで、不満が態度に出てしまいました。

 大久保哲也監督からは怒られ、「あれがストライクなら、野球をやめます。こっちも本気でやっているので」と泣きながら申し出たことがあります。野球が好きで、真剣に向き合っていたからこそ、結果が出ないことが悔しくてたまりませんでした。監督、コーチ、チームメートが励ましの言葉を掛けてくれたおかげで気持ちを切り替えることができ、今もこうして野球ができていると思います。

 応援してくれる人たちがいることを忘れず、また後半戦も1軍に呼んでもらえるよう、頑張っていきます。 (広島東洋カープ外野手)

 ◇中村 貴浩(なかむら・たかひろ)2000年(平12)4月9日生まれ、福岡県出身の23歳。九州国際大付では1年夏に背番号13で甲子園ベンチ入りしたが出場なし。九産大では3年秋の福岡六大学野球リーグで本塁打と打点の2冠。大学通算12本塁打。22年育成ドラフト2位で広島入りし、23年5月17日に支配下選手に昇格。5月19日の阪神戦でプロ初出場、同23日の中日戦でプロ初安打。1メートル77、85キロ。右投げ左打ち。

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