阪神・近本 「ジャンプしたら入っていました」超ファインプレーで首位死守 走って守ってさすがの存在感

2023年07月24日 05:30

野球

阪神・近本 「ジャンプしたら入っていました」超ファインプレーで首位死守 走って守ってさすがの存在感
<ヤ・神>7回、長岡の打球を好捕する近本(撮影・村上 大輔) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4―2ヤクルト ( 2023年7月23日    神宮 )】 阪神は23日のヤクルト戦に4―2で勝利し、首位を死守した。前日22日に右肋骨骨折から復帰したばかりの近本光司外野手(28)が、守って、走って、背中でチームを引っ張った。特に7回の守備ではスーパーキャッチを見せ、ヤクルトの反撃を断ち切った。さらに5回の攻撃で復帰後初盗塁を決め、3回の打席では右肋骨付近をかすめる死球を受けても平然と振る舞ってチームを鼓舞。選手会長の献身的プレーが、首位陥落の危機を救った。
 近本が、「超」が何個も付いていいくらいのファインプレーで、チームを救った。7回だ。1点を勝ち越した直後の守備。1死二塁から長岡が放った右中間への大飛球。それを中堅・近本は、やや前めの守備位置から快足を飛ばして追った。

 「“ライトフライやー”と思ったら風がこっちに来てたので“やべっ”と思って…。ジャンプしたら入っていました」

 全速力で右中間フェンスに向かって、斜めに背走した。自身の右後ろからの打球を目で追いつつ、最後は右手グラブを目いっぱいに伸ばしながら大ジャンプ。捕球直後に着地すると、目の前にはフェンス…そのプレーの難度は最高点だろう。

 「フェンスも怖かったですよ。だから、ジャンプして高いところ(フェンスより手前)で捕ろうと思っていました」

 抜けていれば大打撃を食らうはずが一転、背番号5の好守により2死三塁。岩貞が代打・川端を三ゴロに仕留め、結果的に無失点で切り抜けた。ヤクルトの勢いを寸断する超ファインプレーだった。

 右肋骨骨折から復帰2戦目。この試合も5打席に立って3打数無安打に終わったが、確かな存在感は示した。

 まずは3回の第2打席。同じ右肋骨付近に死球を受けたが、体に当たる寸前でかわし、ユニホームをかすめるだけにとどめた。その際も相手投手をにらむわけでもなく、平然と一塁へ。近本らしい姿勢が、チームを鼓舞した。5回2死の第3打席では四球を選び、次打者・中野への初球で二盗。リーグトップ独走の13個目の盗塁を決め、「足はめちゃめちゃ動いているので、初球から動きたかったですね」と相手バッテリーのリズムを崩した。守って、走って、先頭に立ってチームを引っ張った。ただ、6月30日巨人戦の第1打席で本塁打を最後に続く連続打席無安打は、自身最長ブランク更新の「23」まで伸びた。あとは打つのみだ。

 後半戦初勝利にご機嫌の岡田監督も「ベンチから捕ったかどうか見えへんねんけど、やっぱりこういうゲーム展開やから失点を防ぐというのは大きいよな」と殊勲の一人に近本を挙げた。ゲーム差なしで並んでいた広島が勝ったため、阪神は負けていれば2位に転落していた。近本が走って、跳んで、必死につかんで離さなかったのは、白星と、そして首位の座だった。

 《近本の経過》
 ★7月2日 巨人戦の7回、高梨から右脇腹付近に死球を受ける。
 ★3日 兵庫県内の病院で右肋骨の骨折の診断を受けたが、4日からの広島戦出場を模索し志願の広島入り。
 ★4日 出場登録を抹消されて帰阪。
 ★5日 鳴尾浜でリハビリ開始。
 ★10日 球宴の出場辞退を発表。
 ★19日 離脱後初めて甲子園の1軍全体練習に合流。フルメニューをこなす。
 ★20日 実戦形式のシート打撃で1軍投手陣3人から3打数2安打。平田ヘッドが復帰へGOサイン。
 ★21日 岡田監督が22日の後半戦初戦の先発起用を明言。
 ★22日 ヤクルト戦に1番・中堅で20日ぶり実戦復帰。

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