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オリックス・斎藤 山本由伸が素質認めた19歳、母が初観戦の日に「初勝利できたのは良かった」

2024年06月09日 05:45

野球

オリックス・斎藤 山本由伸が素質認めた19歳、母が初観戦の日に「初勝利できたのは良かった」
<巨・オ>プロ初勝利を挙げ、ウイニングボールを手に笑顔を見せる斎藤(撮影・木村 揚輔) Photo By スポニチ
 【交流戦   オリックス5-0巨人 ( 2024年6月8日    東京D )】 オリックス・斎藤響介投手(19)が8日の巨人戦でプロ初勝利を挙げた。被安打1の5回零封で今季初の4連勝に貢献。昨季まで絶対エースだった山本(ドジャース)から素質を認められた“ネクスト由伸”の筆頭候補が今季4度目、通算5度目の先発マウンドで大きな一歩を刻んだ。
 斎藤は待望の白星を母の前でつかんだ。最後の遊飛を捕った紅林から記念球を受け取り、初々しい笑みを満面に咲かせた。
 「ボールは家族に渡したい。小さい頃から送り迎えとかもしてもらったので。今日、観戦に来ていたので、そこで初勝利できたのは良かったです」

 今季の過去3度の先発登板はエスコンフィールド、京セラドーム、マツダスタジアム。今回は週末の東京ドームで、岩手県在住の母・敏江さんが祖母、叔父とともに初めて生観戦に訪れていた。140キロ後半の直球とフォークを武器に攻め、許した安打は2回の大城卓の右前打だけ。6三振を奪う力投で今季初の4連勝に導いた。

 昨年9月26日の西武戦でデビューして最速150キロで4回無失点。昨季まで絶対エースだった山本には昨オフのテレビ番組で「ネクストブレーク候補」に指名された。飛躍を期した今春キャンプとオープン戦は不調。3月17日のヤクルト戦では2被弾の1回1/34失点にベンチで悔し涙を流し、中嶋監督から「また頑張ってこい」と2軍行きを告げられた。

 「あそこでホームランを打たれてから、いろいろ切り替えて。さらに頑張ろうという気持ちになりました」

 力だけで勝負するのではなく、試合をつくるための投球を勉強した。マスクをかぶった若月は「由伸大先生が絶賛しただけのことはあるんじゃないですか。また(山本と)違った斎藤という投手になってほしい」と目尻を下げた。山本、宮城、山下、東…。続々と現れる高卒投手の球団系譜に、また新たな逸材が加わった。(山添 晴治)

 ◇斎藤 響介(さいとう・きょうすけ)

 ☆生まれ&サイズ 2004年(平16)11月18日、岩手県滝沢市出身の19歳。1メートル77、72キロ、右投げ右打ち。

 ☆球歴 滝沢小3年で「竹の子スポーツ少年団」で野球を始め、滝沢中では軟式野球部。盛岡中央では投手、遊撃手として1年夏からベンチ入り。3年夏は岩手大会準優勝。22年ドラフト3位でオリックス入団。

 ☆ぬいぐるみ男子 昨年1月の入寮時には友人からもらった3体のポケモンのぬいぐるみを持参。普段はおっとりした性格がマウンド上ではひょう変。

 ☆英才教育 高卒1年目の昨季終盤は1軍に同行し、ポストシーズンも経験。登板はなかったが、日本シリーズ第5戦でベンチ入りするなど大舞台の空気を吸収した。

 ☆愛称 恒例イベントのニックネームユニホームは今年は「キョウチャン」。昨年が「キッキ」。「キョンキョン」と呼ぶ人も。

 《母が現地で初めて応援》
 ○…斎藤の母・敏江さん(55)は愛息の初勝利を球場で見届けた。プロ2年目で生観戦は初めてで、感無量の面持ちだった。「初めて見た試合で勝ってくれて、本当に良かった。私はずっと緊張しっぱなしで大変でしたが、響介らしい投球ができたんじゃないかと思います」。普段のおとなしい姿と、マウンド上での勇姿とのギャップには「周りの人からはそう言われますが、あれで頑固なところもあるんで。私にとってはどっちも同じ響介」とほほ笑んだ。プロ生活は始まったばかりで「響介らしさを忘れず、初心を忘れずやってほしい」とエールを送った。

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