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阪神・中野「高校時代負けたのでプロでは」13年夏の甲子園で敗れた西武・高橋から悔しさ晴らす決勝二塁打

2024年06月09日 05:15

野球

阪神・中野「高校時代負けたのでプロでは」13年夏の甲子園で敗れた西武・高橋から悔しさ晴らす決勝二塁打
<神・西>3回、中野は先制の適時二塁打を放つ(投手・高橋)(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神4-1西武 ( 2024年6月8日    甲子園 )】 阪神・中野拓夢内野手(27)が8日の西武戦で先制の決勝二塁打を放ち、2連勝で5カードぶりの勝ち越しを呼んだ。同世代の高橋光成投手(27)とは日大山形高2年だった13年夏以来、プロでは初の「甲子園対決」。準決勝で敗れた前橋育英高のエースに殊勲打を含む2安打で雪辱した。1番打者として打線を7試合ぶり2桁安打へ活気づけ、交流戦の最下位からも脱出した。
 中野が11年前の悔しさをまとめて晴らした。13年夏の甲子園準決勝で敗れた高橋から2安打を放った。うち1本は3回1死一、二塁から一塁線を破る先制二塁打。追い込まれてから内角152キロ直球を打ち返した一打が今季3本目の決勝打になった。

 「まさか、また甲子園の舞台で対戦できると思っていなかった。高橋投手がどう思っていたかわからないけど、自分は甲子園で戦った記憶が凄くある。高校時代はチームが負けたので、プロではチームが勝てば良いかなという気持ちでいた」

 時計の針を、2人の高校2年夏に戻す。日大山形の中野は前橋育英に1―4で敗れた。2番二塁で出場して4打数1安打に終わり、高橋に1失点完投を許した。プロ入り後に対戦して3打数1安打だった21年は敵地での顔合わせで、聖地では今回が初めて。自然と気合が入った。23年の最多安打王として、西武のエースを打ち砕き、勝利に導いた。

 「1打席目に内角のカットボールにやられていた。それがもう一回来るかなという頭がある中で、直球に対してヘッドを強くかぶせる形で反応できた。そこは良かったと思う」

 東北福祉大の2学年後輩、一塁手・元山の横を速い球足のゴロで抜いた二塁打こそ、取り組みの成果と言えた。右方向の安打を増やすことが今季のテーマで、オープン戦で意識的に強く振った。時に左手が離れるほどのオーバースイングをした結果、調子を崩して34打数無安打のどん底を味わった。悩んだ。その一方で、客観的に状況を見る自分がいた。

 「オープン戦はやりたいことをやる期間。結果は出ていなかったけど、目的意識を持って取り組めた。そこでしっかり振ったことで、今年は引っ張った強い打球が増えている。少しずつ、今に生きていると思う」

 身長1メートル71の小兵にすれば引っ張りは難題のため、歩みは平たんではない。それでも打球方向別の安打は、右方向が23本で、中方向の17本、左方向の15本より多い。確実に前進をしている。

 「投手に助けられてばかり。打者が投手を助ける試合をつくらないといけないと思っていた。気を抜かずにもう1試合取りたい」
 5月22~23日の広島戦以来、5カードぶりの2連勝で勝ち越し。中野の安打増加とともに、チームはもっと元気になる。(倉世古 洋平)

 ▽高校時代の中野VS高橋 13年8月21日、選手権大会準決勝で日大山形2年の中野と前橋育英2年の高橋(光)が対戦。試合は序盤から小刻みに加点した前橋育英が4―1で勝利。高橋は9回7安打1失点(自責0)で完投。敗れた日大山形の中野は2番・二塁で先発。高橋に中安打、見逃し三振、三ゴロ、三邪飛の4打数1安打、打点なしだった。

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