楽天ドラ1・古謝樹プロ初勝利、登板2戦目6回2失点「やっとプロでの一歩という感じ」

2024年06月09日 05:30

野球

楽天ドラ1・古謝樹プロ初勝利、登板2戦目6回2失点「やっとプロでの一歩という感じ」
<中・楽>初勝利へ力投する楽天先発の古謝(撮影・長嶋 久樹) Photo By スポニチ
 【交流戦   楽天7―2中日 ( 2024年6月8日    バンテリンD )】 楽天のドラフト1位・古謝樹投手(22)が8日、プロ2度目の登板でうれしいプロ初勝利をつかんだ。中日打線を6回88球で9安打2失点、3三振2四球に封じ、打線の援護にも恵まれた。打者から左腕をぎりぎりまで隠し、球の出どころが見えにくい独特の投球フォームで要所を締めた。今季初の5連勝に導き、交流戦単独首位を行くチームの中で大きな一歩を踏み出した。
 初勝利のウイニングボールを手にカクテル光線に照らされた古謝の白い歯が映えた。

 「やっとプロでの一歩という感じがする。この1勝に満足することなく、これからもひたむきに頑張っていこうと思います」

 初回に2点を失ったが、直後の2回に味方が6点の大量援護。その後は得点圏に走者を背負うも直球にスライダー、ツーシームなどを織り交ぜて、要所を締め「開き直って、真っすぐをゾーン内に投げ込むことができました」とうなずいた。

 最速153キロ左腕は、プロを目指すような少年ではなかった。「ターニングポイント」と振り返る湘南学院入学時は身長1メートル65で、体重はわずか55キロ。普通の量のお弁当を残すほど食が細かった。それでも運命の出会いがプロへの道を開いた。

 横浜高の部長として松坂大輔氏(元西武)ら多くの名投手を輩出してきた小倉清一郎氏(79=現山梨学院コーチ)が高1秋に臨時コーチに就任。自らの教え子で、ロッテなどで通算96勝の成瀬善久(現BC栃木)を引き合いに出し「成瀬を目指して頑張れ」と刷り込まれた。高さ2メートルの防球ネット2個を約60センチほどの幅で並べ、その間に入ってネットに手が触れないよう、小さな腕の振りを延々と染みこませた。「いつか成瀬投手みたいになれるように」と手本とし、出どころの見えにくいフォームをつくり上げ、プロでも戦える武器となった。

 開幕1軍は逃したが、前回5月25日の日本ハム戦に続く2度目のマウンドでつかんだ初勝利。今江監督も「監督になって初めてのドラフトで1位で獲った選手。可愛いし、一皮も二皮もむけて球界を背負うような選手になってもらいたい」とエールを送った。今季最長の5連勝で交流戦単独首位を堅持。最大9あった借金は完済目前の1まで減った。絶好調のチームに未来のエースが力強く加わった。(花里 雄太)

 ◇古謝 樹(こじゃ・たつき) 生まれ&サイズ 2001年(平13)8月18日生まれ、横浜市出身の22歳。1メートル82、75キロ。左投げ左打ち。

 ☆球歴 小1で「山友スターズ」で野球を始め、岩崎中では軟式野球部。湘南学院では甲子園出場なし。桐蔭横浜大では2年春のリーグ戦でデビューし、3年秋に5勝を挙げて最優秀投手賞に輝いた。23年ドラフト1位で楽天入団。

 ☆性格 自らを「内気な性格」と評す。2月に対外試合で初めて投げた際には「頭が真っ白になった」。桐蔭横浜大の斉藤監督から何度も掛けられた「こんなバッターに打たれるわけないだろう。そんな感じで思っておけ」という言葉を胸に刻む。

 ☆マイブーム ゲームの「桃太郎電鉄」。基本は一人プレーで、同僚の渡辺翔、日当と対戦した際は最下位。韓国ドラマの「ペントハウス」もお気に入り。

 ☆ルーツ 父・努さんが沖縄出身で小学生の頃はよく旅行で訪れた。好きな沖縄料理はソーキそば。名字由来netによると、古謝姓は全国で約3000人。

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