バント失敗に“怒りのフルスイング” 慣れない打撃でのうっぷんを初完投で発散した阪神・ビーズリー

2024年06月09日 08:00

野球

バント失敗に“怒りのフルスイング” 慣れない打撃でのうっぷんを初完投で発散した阪神・ビーズリー
<神・西>6回、空振りするビーズリー(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神4-1西武 ( 2024年6月8日    甲子園 )】 【畑野理之の談々畑】阪神・ジェレミー・ビーズリーに尽きる。1失点で来日初の完投勝利。「7回制だった短大時代に完投はあったけど、9回完投は大学(米国クレムソン大)以来かなあ」。チームを再び上昇気流に乗せる快投だった。
 完投だけではなく、「得点」も来日初めてだった。3回無死一、二塁で一塁線にバントを転がしたが、三塁に送球されてアウト。一塁走者として残り、続く中野拓夢の二塁打で三塁まで進み、森下翔太の左前打で2点目の生還を果たした。

 ビーズリーは昨年は11打席に立ってすべて凡打。犠打も0。残塁2という記録が残っているが、いずれも2死からのゴロアウトでフォースプレーとなり塁上で味方打者を迎えたことはない。今季は7打席で無安打、犠打も無し。走者となったのはこの日の3回のバント失敗で入れ替わったのが唯一だった。

 「バントは(三塁)惜しかったけどねえ。打撃は不得意というわけではないのだけど、こんなに打席に立つのは高校生の時以来だし、いい真っすぐを打つのは難しいね。スライダーなら狙っていけばなんとか当たるかな、いや、やっぱり当たらないかな」と笑った。

 5回先頭と、8回1死一、二塁の打席ではまったく打つ気を見せずに見逃し三振。日本ハムの山崎福也や、広島・床田寛樹のように打撃に自信があって打席を楽しんでいる投手とは対照的に、ノーサンキューなのだ。ベンチも併殺打になり余分なアウトを重ねるくらいならジッとしておけというわけだ。

 それでも、一度だけムキになった打席があった。2番手の豆田泰志に代わった6回、2死一塁で迎えた第3打席。初球真っすぐが顔面付近を襲い、辛うじて避けたものの血が騒いだ。顔を真っ赤にして2球目(ファウル)、3球目(空振り)の真っすぐを体がよろけるくらいまでフルスイング。そして4球目を右飛…。

 「ハハハッ。わざとじゃないのはもちろん分かっているんだよ。でもガーンときて“ゴメンネ”のペコリもなかったし、ちょっと気合が入ってしまったね」

 やっぱり打つ方はからっきしだったが、そのエネルギーを7回、8回、そして9回のマウンドで発散してくれたのだから、やっぱり頼もしい。

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