マーティ・フリードマン 八代亜紀さんと何度も共演「まるで魔法のようだった」 世界的ギタリスト

2024年01月12日 05:15

芸能

マーティ・フリードマン 八代亜紀さんと何度も共演「まるで魔法のようだった」 世界的ギタリスト
13年、メタルバンドの競演ライブで熱唱する八代亜紀さんとマーティ・フリードマン Photo By スポニチ
 昨年12月30日に亡くなった歌手八代亜紀さん(享年73)と度々共演し、自身の音楽に大きな影響を受けたという世界的ヘビメタバンド「メガデス」の元ギタリスト、マーティ・フリードマン(61)が11日、本紙の取材に応じ思い出を語った。八代さんの歌声を「まるで魔法のようだった」と称えた。
 ロック好きの10代の少年の運命が大きく変わった瞬間だった。当時ハワイに住んでおり、偶然ラジオから流れてきたのが八代さんの歌声。「歌手名も曲名も歌の意味も分からなかった。でもその歌声で僕の心が大きく動くのを感じた。なんぞや!何だコレ!」。今までにない経験だった。

 ブラック・サバスやキッスなどの影響でギターに目覚めたが、八代さんと出会い、音楽との向き合い方が変わった。「ギターは言葉のない楽器だけど、言葉の意味が分からない八代さんの声が僕の心を動かした。だから僕は感情を伝えるために歌手っぽくギターを弾くようになった」

 そんな八代さんの歌声を、マーティは「神様が与えた唯一無二の才能」と言う。「ただメロディーに乗るのでなく、音節の長さを変え、あえてピッチを揺らし、音一つ一つをコントロールしている。でも、それを自然とやっている。八代さんのような歌手は、世界にも他にいない」と称えた。

 日本への興味が止まらず、やがて海を渡り2004年に日本に移住。05年にテレビ東京「ヘビメタさん」でついに八代さんと共演した。「雨の慕情」をメタルアレンジで披露。そこから縁が生まれ、13年には自身の作曲で八代さんに「MU―JO」を提供した。「憧れの人に曲を書けるなんて、夢にも思っていなかった。レコーディングで心と心がつながった時間は、自分の人生でも最もスペシャルな瞬間だった」と目を潤ませた。

 八代さんと最後に会ったのは、数年ほど前の番組共演だったという。「いつも優しくて親戚のおばさんのような存在だった。もう会えないなんて…」と悲しみは計り知れない。同時に使命感も感じている。「これからも世界に八代さんの曲を届けるために、僕は弾き続けます」。天を見上げ、決意をのぞかせた。

 ◇マーティ・フリードマン 1962年12月8日生まれ、米ワシントン出身の61歳。90年にメガデスに加入し、99年まで活動。日本に移住後は相川七瀬のバックバンドのメンバーとしてキャリアをスタート。石川さゆり、ももいろクローバーZら、さまざまなアーティストとコラボしている。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2024年01月12日のニュース

特集

芸能のランキング

【楽天】オススメアイテム