【王将戦】藤井聡太王将が連勝!“最長考”から最速15時26分決着

2024年01月22日 05:15

芸能

【王将戦】藤井聡太王将が連勝!“最長考”から最速15時26分決着
菅井八段(左)が投了し、2連勝とした藤井王将(撮影・西尾 大助、光山 貴大、大城 有生希、藤山 由理) Photo By スポニチ
 【第73期ALSOK杯王将戦第2局第2日 ( 2024年1月21日    佐賀県上峰町・大幸園 )】 藤井聡太王将(21)に菅井竜也八段(31)が挑む第73期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は21日、佐賀県上峰町「大幸園」で第2局2日目が指し継がれ、午後3時26分、113手で藤井が勝利した。藤井にとって3期目となる王将戦7番勝負最速の終局だった。対戦成績を2勝0敗とし、獲得へ前進。第3局は27、28日、島根県大田市「さんべ荘」で指される。
 対局場を出て陽光を浴びた。日の入りの早い1月でもまだ夕刻とは言えない午後3時26分。藤井が王将戦7番勝負12局目で最速の終局を実現した。

 1日目、1時間の昼食休憩を挟む43手目▲7五歩に1時間40分考えた。合わせて2時間40分は自己最長級の長考。その勲章と呼ぶべきだろう。藤井がここ10局ほど使い込んだ扇子が対局中に壊れた。風を生み出す扇面が破れ、それを支える親骨と分離した。

 前日は羽織の留め具が壊れた。昼食休憩時、関係者が修復して午後から着用できた。扇子や羽織の留め具は壊れても、集中力まで乱すことなく、藤井王の囲い「ビッグ4」も維持した。

 「王が安定した形で戦いを起こすことができた。そのあたりでペースをつかめたかなと思います」

 投了時、金銀4枚による堅陣がそのまま残る完勝。2日目の焦点は1日目午後、菅井の44手目△8四角への応対だった。

 封じ手直前、藤井からの49手目▲6四角の初王手に△7三歩。退路を失った菅井角へ55手目▲8七銀(第1図)で圧力を加えた。対抗型の制空権を支配すると、73手目▲4二歩。と金作りを狙った歩の垂らしで「攻めがつながる形になった」と優勢を意識しだしたという。

 振り飛車党の第一人者・菅井から2勝目を挙げ、7番勝負を折り返した。この日、すでに収録済みだった王将4期の振り飛車党・久保利明九段(48)とのNHK杯3回戦の放送もあり、108手で熱戦を制した。「1日2勝」で対振り飛車の連勝を7まで伸ばした。

 菅井とは対戦成績を11勝4敗(4千日手)としたが、初対戦からは2連敗した。久保とも4戦目まで1勝3敗だった。中学生棋士はプロ8年目に突入し、振り飛車対策の向上を結果で示した。

 立会人の小林健二九段(66)は「スーパー四間飛車」を代名詞に王将リーグに4期参戦した振り飛車党。対居飛車だけでなく対振り飛車にも隙のなくなった指し回しを、「大谷翔平選手のようです」。二刀流に通じる姿になぞらえて表現した。まさに大谷級の進撃はどこまで続くだろうか。


 ≪過去には12時13分投了も≫ 王将戦では過去に対局2日目の昼食休憩を待たずに決着した例もある。森内俊之王将と羽生善治2冠が対戦した2005年の第54期第4局。熊本県の白鷺荘別館で指され、森内が午後0時13分に投了。開幕から4連敗で羽生に王将位を奪われた。王将戦の最短手数局は羽生王将と森下卓八段が対戦した1999年の第48期第1局の62手。午後4時32分に羽生が投了し、森下が先勝した。

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