【王将戦】藤井王将 金銀7枚完全有利で勝ちを急がずも勝負ヘの執着感じた

2024年01月22日 05:25

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【王将戦】藤井王将 金銀7枚完全有利で勝ちを急がずも勝負ヘの執着感じた
王将戦第2局A図 Photo By スポニチ
 【第73期ALSOK杯王将戦第2局第2日 ( 2024年1月21日    佐賀県上峰町・大幸園 )】 【関口武史 明暗この一手】2日目朝、藤井の封じ手は▲4六角。後手からの△5七桂成を防ぎつつ▲7五歩の王頭攻めを含みにした一手だ。1歩得の実利を得た先手は流れを穏やかにして有効手を積み重ねていく方針である。
 その方針に沿って▲8六歩~▲8七銀と陣形を押し上げ、後手陣に重圧をかけてゆく。その▲8七銀の局面、先手は▲8八金上、▲7六銀と自陣整備の有効手が多く、手に困らない。加えて▲9五歩△同歩▲7五歩△同銀▲8五歩と決戦策の権利も有している。好条件の多い先手と対照的に後手は有効手が少ないのがつらい展開だ。

 じり貧を避けたい菅井は△3三飛と非常手段の一手で挽回を図る。2筋を突破される代償に6、7筋に飛車を活用させる構想である。

 対する藤井の指し手は自然で▲2四歩から竜をつくり香車を補充。さらに▲7五歩△同銀▲7六歩と手堅く自陣の憂いを取り払う。鉄壁の陣形を整えて指された▲4二歩(A図)が確実な一手で優勢を確かなものにした。

 8手後垂れ歩はと金に成り、持ち駒を含む4枚目の攻め駒として参戦。「堅い、攻めてる、切れない」の勝ちパターンが完成した。藤井はこのと金を▲5一~▲5二~▲5三まで活用し後手銀と交換、金銀を7枚保有する盤石の態勢を築く。ここから藤井はさらに腰を落とし、28分の考慮で▲5二竜とじっと手を渡す。勝ち急ぐ気持ちを抑え込み「絶対に逃さない」という勝負に対する執着を感じた。以降菅井も△7四馬~△3五角と盤上に大駒を放ち粘りを見せるが美濃崩しの▲6二金が最後の決め手。つけ入る隙を与えない完勝で防衛に大きく前進した。(本紙観戦記者)

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