【王将戦】藤井王将 金銀7枚完全有利で勝ちを急がずも勝負ヘの執着感じた
2024年01月22日 05:25
芸能
じり貧を避けたい菅井は△3三飛と非常手段の一手で挽回を図る。2筋を突破される代償に6、7筋に飛車を活用させる構想である。
対する藤井の指し手は自然で▲2四歩から竜をつくり香車を補充。さらに▲7五歩△同銀▲7六歩と手堅く自陣の憂いを取り払う。鉄壁の陣形を整えて指された▲4二歩(A図)が確実な一手で優勢を確かなものにした。
8手後垂れ歩はと金に成り、持ち駒を含む4枚目の攻め駒として参戦。「堅い、攻めてる、切れない」の勝ちパターンが完成した。藤井はこのと金を▲5一~▲5二~▲5三まで活用し後手銀と交換、金銀を7枚保有する盤石の態勢を築く。ここから藤井はさらに腰を落とし、28分の考慮で▲5二竜とじっと手を渡す。勝ち急ぐ気持ちを抑え込み「絶対に逃さない」という勝負に対する執着を感じた。以降菅井も△7四馬~△3五角と盤上に大駒を放ち粘りを見せるが美濃崩しの▲6二金が最後の決め手。つけ入る隙を与えない完勝で防衛に大きく前進した。(本紙観戦記者)