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筑波山×バコベラ 気分は最高頂 「筑波湖」良型ヘラブナの美しさにうっとり
2024年03月23日 07:00
社会
開園すると皆さん、海外旅行のような大荷物で、腰を叩きながら釣り座に入っていく。だんだんと日が昇り、竿を出す頃にはピカーン!“ダイヤモンド筑波”が力をくれる。
筑波湖の代表・小谷野行慶さん(57)は「うちの自慢です。皆さん、この景色と、“バコベラ”を気に入って通ってくださいます」。
「バコベラ」とは、小谷野さんがこだわって仕入れている大型のヘラブナのこと。体長は40~50センチ。背中が盛り上がっている個体で、筑波湖の「バコ」を取り常連が名付けたのだそう。私もヘラッと釣れないかなぁ?
釣り方を教えてくれたのは、常連でがまかつフィールドプレーヤーの生天目弘次さん(52)。「まずは座り方…」と、ゴザのような敷物の上にあぐらをかく基本姿勢から。そして、釣り方は「手持ちちょうちんのように竿先すぐに棒ウキを付ける“チョウチン釣り”をします。ハリは2本で、上は誘い用のすぐにバラける練り餌、下は食わせ用の粒餌です」。よし、筑波山を眺めながらまったり、と思っていたがあれ、あれ?2分おきに餌を替えるなんて大忙しじゃないか。座禅のような姿勢で腰がピリピリ。想像と違ってハードな釣りだ、シルバーの皆さん凄い。気合を入れ直すと、チョコッ。微妙なウキの沈みに合わせ竿が弧を描いた。3メートル竿のしなりの気持ちが良いこと。タモに入ったのは、35センチのヘラブナ。キレイなひし形に、澄んだ瞳。「ヘラってこんなに美しかったのか」
その後当たりが止まり、生天目さん=写真=が魔法の言葉をかける。「ハリスを少しだけ伸ばすと良いよ」。こんなちょっと変えるだけ?半信半疑で仕掛けを落とすと、スッ!いきなりウキが沈む。合わせると厚みある1匹が上がってきた。奥が深い。「竿の長さ、ハリスの長さ、練り餌の配合…。ほんの少し違うだけで釣果が変わるのがこの釣りの面白いところです」と師匠は目を輝かせた。
だから皆何十年も通い、答えを探し続けているのか。結果、私は4匹。バコベラは上がらなかったが、全て35センチ級の良型ぞろいだった。
「釣りはフナに始まりフナに終わる」と昔から言う。その底知れない魅力を、筑波山のもと垣間見た初挑戦。胸の高まりは山頂まで届きそうだった。
◇大塚 ひとみ(おおつか・ひとみ)1993年(平5)生まれ、千葉県出身。フリーアナウンサー。NHK宇都宮放送局、栃木放送、ウェザーニューズを経てフリーに。釣り歴はカサゴなど小物釣りを中心に20年。
▼釣況 筑波湖・管理事務所=(電)0296(52)5444。日釣り券1700円、土日祝日2200円、女性は全日1000円。