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赤と銀の輝き キンメダイ&タチウオ 縁起良し高級魚リレー 小田原・おおもり丸
2024年04月08日 04:30
社会
航程15分ほどで真鶴沖に到着。「1番どうぞ」との合図で、ミヨシから順に仕掛けを投入していく。私は4番目。すぐに順番が来た。投入に成功しホッとしていると、電動リールの液晶がプツンと暗くなった。のぞき込むとカウンターディスプレーには自分の顔が写っていて、コードの接触不良で電源が落ちたことに気付く。水深は270メートル。再投入はできないし、手で巻けばいいか…と平然を装い底ダチを取り、タナを合わせて当たりを待つことにした。
30秒後、竿先がガタガタと動いた。当たりがあったら、追い食いを狙って体内時計で2分待つ。この日は10メートル前後の風が吹いていて、待っている間に穂先が揺れるので、魚なのか風の影響なのか分からないが、そのまま穂先を見ていると、再びガタガタ…。魚がいることを確信。巻き上げる覚悟を決め、手助けしてもらいながら長時間の手巻きファイト!水面に顔を現したのは3匹の本命キンメダイ。赤い宝石を逃してたまるものかと、鬼の形相で船内に取り込んだ。
キンメの当たりは時間とともに弱くなっていくので油断していたら、再びガタガタ。これは追い食いの合図なんだそうで、追い食いにうっかり成功。この日はほかにクロムツ、シロムツも掛かり、深海からどんな高級魚が上がってくるのかというロマンあふれる釣りを堪能した。
後半は小田原沖に移動し、タチウオを狙う高級魚リレー。瀬戸船長の兄・清光船長は「タチウオ釣りは今が旬です」と大絶賛するほど今季は絶好調。餌、テンヤなんでもありで、私は自信のあるジギングを選択した。200メートル弱の水深にひるみつつ、メタルジグを投入。タナに達するまで時間はかかるものの、ジグを待っていたような食いっぷりで終始入れ掛かり。中には片天の先にハリではなくジグをぶら下げるという“技”に挑戦をしている釣り人も。さすがに未知の深さ、体力がすぐに尽きてしまった。数はジグに分があったが、餌の方が良型だった気もする。
とはいえ、クーラーボックスの中はキンメダイの“赤”とタチウオの“銀”がキラキラと輝き、釣果はまさに縁起よし。いつまでもニヤニヤが止まらなかった。
◇中山 紗希(なかやま・さき)1992年(平4)生まれ。都内の会計事務所に勤務する傍ら125CCのバイクで釣行。日本百名山全山踏破にも挑戦しているアウトドアラー。
▼釣況 東日本釣宿連合会所属、小田原・おおもり丸=(電)0465(84)0456。LT深場五目船は午前4時半集合、乗合料金は餌1パック・氷付きで1万円。そのほかマルイカ船、アマダイ船も出船中。