諏訪利成氏が占う男子　逃げ切りなら細谷恭平、終盤勝負なら大迫傑

2023年10月15日 05:00

陸上

諏訪利成氏が占う男子　逃げ切りなら細谷恭平、終盤勝負なら大迫傑 — 大迫傑(左)と細谷恭平 Photo By スポニチ

　男女マラソンのパリ五輪代表2枠を懸けたマラソン・グランド・チャンピオンシップ（MGC）の男子は15日午前8時に東京・国立競技場発着のコースで号砲となる。アテネ五輪男子マラソン6位入賞で上武大駅伝部監督の諏訪利成氏がレースの見どころを語った。

　
　今回は60人以上の選手が出場するので、全体的な層の厚さを感じる。コースは周回のため折り返しが6度。ただ、直線が5キロ以上あるので影響は少ないと見る。最後の数キロは前回と同じ上り坂。序盤はスローペースになると思うが、折り返しが終わって足が残ってるかどうか。

　どんな状況でも対応できるランナーが多い中でも中心は大迫傑（ナイキ）、細谷恭平（黒崎播磨）の2人と見る。細谷を挙げた理由はマラソン、駅伝の走りを見て、周りに合わせずに単独走が可能だから。大迫は実績十分。前回MGC3位と負けた経験も生かして、修正できる。ただ、腹痛が出る選手なので、あえて懸案材料を挙げるなら、その部分か。

　現日本記録保持者の鈴木健吾（富士通）は日本記録を出した状態に戻っているかが鍵。細谷はハーフを過ぎてから1人で行けるかどうか。大迫は終盤、競った展開で勝てる。鈴木は残り10キロからのペースアップに期待したい。

　8月の世界選手権から連戦となる山下一貴（三菱重工）は100％回復できてはいないと見る。力を出し切った状態で完走し、ちょうど疲労が抜けきらない時期でもあるので気がかりだ。個人的には、最年長39歳の今井正人（トヨタ自動車九州）にも注目したい。気持ちの強さだけでなく、日本代表で走れなかった思いで今も続けている。最後の最後は気持ち。その部分を見たい。