【MGC女子】“ママさんランナー”前田彩里遅れる 20年に長女出産、「年齢的にも最後」と覚悟のレース

2023年10月15日 09:23

マラソン

【MGC女子】“ママさんランナー”前田彩里遅れる 20年に長女出産、「年齢的にも最後」と覚悟のレース
<MGC>日本橋を通過する女子の先頭集団(撮影・会津 智海) Photo By スポニチ
 【マラソングランドチャンピオンシップ ( 2023年10月15日    東京・国立競技場発着の42・195キロ )】 24年パリ五輪男女マラソン代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」は15日、午前8時10分に女子の号砲が鳴った。スターターを小池百合子・東京都知事が務めた。
 東京・国立競技場発着で、上野や銀座、日本橋など名所を通過しながら周回を含む42・195キロ。気温14・5度、スタート時の降水量は9ミリと冷たい雨が降りしきる中でのスタートとなった。

 前回覇者の前田穂南(天満屋)が号砲とともに先頭に位置どった。2キロ過ぎで集団は完全に2つに分かれ、前の集団を前田穂南がけん引する形で進んだ。

 5キロ地点では、前田を先頭に、安藤友香(ワコール)、細田あい(エディオン)、一山麻緒(資生堂)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)、岩出玲亜(デンソー)ら15人で形成された集団が通過した。10キロ地点では岩出が先頭、33分58秒で通過した。

 15キロ過ぎ、2015年世界陸上代表の前田彩里(ダイハツ)が先頭集団から遅れ始めた。

 2020年12月に第1子を出産。今年1月の大阪国際女子マラソンでは2時間25分24秒で6位に入り、条件を満たしてMGCの出場権を獲得した。“ママさんランナー”として初、約4年ぶりのマラソン復帰戦ながら序盤から粘り強い走り。2時間24分切りという目標タイムには届かなかったが、沿道から娘の応援を受け「力になった。MGCではしっかり戦えるように努力していきたい」と言葉に力を込めていた。

 今大会前の会見では「雨が降るみたいなのでレース展開が読めない。しっかり前についていって、後半に余力を持って足を残して勝負どころで仕掛けられればいい」。6月から8月にかけて断続的に行った北海道合宿では「距離走の時に悪天候が多かった。距離走は最後の30キロ走だけは天気良かったが、それぐらいはすべて悪天候。距離走の8回中7回ぐらいは雨だった」と悪天候の対応に自信を見せた。

 前回2019年はMGCに出場も五輪出場に届かなかっただけに「出るのは年齢的にも最後だと思うので、しっかり力を出し切って悔いなく終わりたい」と覚悟の口にしていた。

 2歳になる娘は、母に面倒を見てもらうなど周囲の強力を得て育児中。「娘にも我慢させている。合宿に連れていって『ママ遊んで』と言われる中で練習に行かなければならなかったり。母の協力とか娘の我慢も自分が結果を出すことで報われると思う」と語っていた。

 ▼パリ五輪への道 MGCの上位2人がまず決定。残り1枠は、MGCファイナルチャレンジで争う。女子は来年1月の大阪国際、同3月の名古屋ウィメンズが対象大会。2時間21分41秒の設定タイムを突破した記録最上位選手が代表に決まる。設定タイム突破者が出ない場合は、MGC3位の選手が代表となる。

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