【MGC女子】24歳・鈴木優花がV “無印”からパリ決めた!!中学ではバスケ部

2023年10月15日 14:53

マラソン

【MGC女子】24歳・鈴木優花がV “無印”からパリ決めた!!中学ではバスケ部
<MGC>優勝を確信し、ガッツポーズでゴールに飛び込む鈴木優花(撮影・木村 揚輔) Photo By スポニチ
 【マラソングランドチャンピオンシップ ( 2023年10月15日    東京・国立競技場発着の42・195キロ )】 24年パリ五輪男女マラソン代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」が15日、東京・国立競技場発着で行われ、女子は鈴木優花(24=第一生命グループ)が2時間24分09秒で優勝し、パリ切符をつかんだ。
 「一発勝負で、最初の頃は不安で仕方なかったけど、たくさんの人に背中を押してもらえた。自分は怖いもの知らずで、常に挑戦者であることを忘れずにスタートを切ることができた」

 マラソンに臨むのは、今大会が3度目。レース後の会見で日本陸連の瀬古利彦・ロードランニングコミッションリーダーが「私の中ではダークホースにも入っていなかった」と話したように、無印ともいえる存在だった。

 だが、8月から10月までの約2カ月間、米コロラドで合宿を張って走り込んできた本人には自信があった。冷静に先頭集団でレースを進め、23キロあたりで一山と細田が前に出ても慌てない。「捉える自信はなかったわけじゃない。自分のリズムで押していけば、追いつくのは分かっていた」。38キロあたりで先頭に立つと、疲れを感じさせることなくゴールまで駆け抜けた。

 秋田県大仙市出身。中仙中ではバスケットボール部に所属しながら、陸上の大会にも出場していた。ある東北地区の大会で入賞できたことから「自分の可能性を試してみたい」と思い、大曲高から陸上に専念した。大学進学を考えていた中で、大東大陸上部女子長距離の外園隆監督から熱心に誘いを受け、同大に進んだ。

 大東大では、動きづくりやフォームの改造などに着手したこともあって急成長。全日本大学女子駅伝で1年から3年連続で区間賞を獲得した。大学卒業前の22年2月から本格的にマラソンの練習を始めると、初マラソンとなった翌月の名古屋ウィメンズで学生新記録となる2時間25分2秒をマークした。

 マラソンに取り組み始めてから、わずか1年8カ月でパリ行きを決めたニューヒロイン。その能力を、バルセロナ五輪マラソン4位の第一生命女子陸上部・山下佐知子監督は「ポテンシャルの高さは、これまで見てきた選手の中でもかなりのものがある」と評する。ただ、五輪切符獲得が通過点ということは本人も自覚している。

 「ここがスタートラインに過ぎない。世界と戦うにはまだまだ差がある。ここから力を入れて、パリに向けて1年間、しっかりと準備していきたい」

 指導を受ける山下監督、そして過去の五輪メダリストらに憧れる鈴木のシンデレラストーリーは、まだ続く。

 ◇鈴木 優花(すずき・ゆうか)1999年(平11)9月14日生まれ、秋田県大仙市出身の24歳。中仙中ではバスケットボール部に所属しながら、陸上の大会にも出場し、大曲高から陸上に専念。大東大では全日本大学女子駅伝で1年から3年連続で区間賞を獲得。初マラソンとなった22年3月の名古屋ウィメンズで学生新記録となる2時間25分2秒をマーク。1メートル61。

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