【ミス日本グランプリ】椎野カロリーナさん 伝えたい平和と多様性「日本人として認められたことに感謝」

2024年01月23日 05:20

芸能

【ミス日本グランプリ】椎野カロリーナさん 伝えたい平和と多様性「日本人として認められたことに感謝」
トロフィーを手に笑顔のミス日本グランプリを受賞した椎野カロリーナさん(撮影・木村 揚輔) Photo By スポニチ
 【第56回ミス日本コンテスト2024 ( 2024年1月22日 )】 日本女性にふさわしい心と健康的な美しさを競う「第56回ミス日本コンテスト2024」(スポーツニッポン新聞社後援)が22日、東京・新宿の京王プラザホテルで開かれ、ウクライナ生まれのモデル、椎野カロリーナさん(26)がグランプリに輝いた。「多様性や人を見た目で判断しない社会づくりに貢献したい」と力強く語った。
 名前を呼ばれた瞬間、両手で顔を覆い、目からは大粒の涙がこぼれ落ちた。「これまで人種の壁があり、日本人として受け入れてもらえない部分もあったが、日本人として認められたことに感謝したい」。26歳でのグランプリは大会史上最年長。欧州にルーツを持つ受賞者は、グランプリ以外の各賞を含めても初となった。
 ウクライナ人の両親のもとに生まれた椎野さん。この日会場に駆けつけた母のサルク・スイトラナさん(43)と日本人男性の再婚を機に5歳で来日した。スイトラナさんがウクライナ語を使っても、椎野さんはかたくなに日本語を使っていたという。「話す言葉も頭の中も日本人」(椎野さん)として成長するも「鼻の高さや髪色の見た目で外国人と思われることばかり」と悩みを抱えていた。

 だが、中学3年で始めたモデル活動では彫りの深い顔立ちや長い手足が武器となり「ギャップが個性になった」。20年ごろからSNSでその個性を発信すると同じ悩みを持つ人から「勇気が出た」との声が相次いだ。「自分の存在がギャップで苦しむ人の背中を押せたら」と大会出場を決意し、22年に日本国籍を取得。そしてこの日、日本らしい美しさの頂点に立った。

 一方で生まれ故郷への思いもある。審査時の質疑応答で「外務大臣になったらどの国へ行き誰に会いたい?」と問われると「ウクライナのゼレンスキー大統領に会って現状を日本に伝えたい」と熱弁。ロシアとの戦争が続く中、「新しいことばかりニュースになり、報道が減少気味。個人個人が発信し常態化させないことが大切」と問題意識を口にした。

 今後は「モデル活動の幅を広げたい」と意欲。「今は見た目を商品にしてるけど、自分が持つメッセージが心に響くようなモデルになりたい」と話し「日本人らしさ」と表現する“内に宿る美しさ”により一層磨きをかけていく。


 ≪賞金100万円など贈呈≫ 椎野さんには副賞の賞金100万円に加え、スポニチ特別賞トロフィー、スリムビューティハウスと番町美容歯科の1年間無料トータルケア、筑波乳業のアーモンドミルク1年分などが贈られた。各賞受賞者には国内旅行券20万円分や関連資格取得サポートが授与された。

 ◇椎野 カロリーナ(しいの・かろりーな)愛知県出身の26歳。趣味は歩くことで毎日5キロは欠かさない。特技はポージング。座右の銘は「山高きが故に貴からず」。1メートル72。
 

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