菊地幸夫弁護士が語る松本人志裁判の争点「そこが欠けてしまったら…」 長ければ4~5年かかる可能性

2024年01月23日 15:40

芸能

 菊地幸夫弁護士(64)が23日、TBS系情報番組「ゴゴスマ~GOGO!Smile!~」(月~金曜後1・55)に出演。お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(60)が、自身が飲み会で性的行為などを強要したとする疑惑を報じた「週刊文春」の発行元・文芸春秋などを相手取り、名誉毀損(きそん)に基づく損害賠償のほか、記事の訂正を求めて、東京地裁に提訴したことについて東京地裁に提訴したことについて裁判の争点について解説した。
 松本側の弁護士のコメントでは「記事に記載されているような性的行為やそれらを強要した事実はなく、およそ『性加害』に該当するような事実はない」としていることから、菊地氏は「(争点は)性的な行為がなかった、ましてやそれを強要した事実はなかったんだと。逆に言えば、それ以外の要素はあったんだ!と読むほうとしては受け取れる」と印象を語った。

 今後の裁判では、文春側は「記事が真実であること、真実でなかったとしても十分な取材に基づき記事内容を真実と信じたこと(真実相当性)を立証する必要がある」とし、一審の判決まで2年程度、最高裁までいけば4~5年かかる可能性があると指摘。「まずは双方の主張の食い違いをはっきりさせるため、双方とも自分に有利な証拠(メール類、証人候補の言い分を書いた陳述書など)を提出する流れになる。その後、法廷での証人尋問になる可能性が高いと思われる」とした。

 菊地氏は「文春側は女性の証言は欠かせないものになる。そこがもし本人が出てこなかったり、欠けてしまったら、文春側はほとんど何も証明できないことになってしまう。例えば、その女性が被害を訴えたことを聞いた、友人、知人、親族、そういう方も証人申請があるかもしれない。一方、松本氏側は松本氏ご本人、一緒に同席された方、後輩芸人の方、そういう方たちの松本氏側の証人として出てくる可能性があります」と指摘。「客観的な映像や録音とかない事案のようなので、本人の口からの立証、口述が中心の試合になると。女性がどれだけ臨場感をもって詳細なところまで、本当にそういう事実があったんだなと、詳細な供述ができるのかどうか。詳細な供述ができないと、ちょっと立証は難しい」とも指摘した。

 今回も複数人の女性の証言が掲載されているが、複数人の証言があると信用性は高くなることはあるのか?との指摘に「可能性ですね」と菊地氏。「別に多数決で事実の有無を決めるわけではないが複数人の供述が一致している、矛盾がないというのは信ぴょう性が高くなる要素。数が多くなるというのは一般的には有利になる可能性がありますね」と見解。「あとは女性の立場、(記事のように)後輩の芸人さんたちが呼んできてということになると、その方に面識があった、知っている方だったということになると、問題があった、加害があったその後、同じように別の飲み会で一緒だった、知り合いだったと関係が続いていたとなると、加害行為があったのにそのあとも一緒だったのはどうなんだ?とか(という話も出てくる)。これは推測ですけど、そういう関係性なども松本さん側の立証の1つになってくる」と見解を示した。

 吉本興業の公式サイトで22日、週刊文春の発行元、株式会社文芸春秋などに対し、名誉毀損に基づく損害賠償請求及び訂正記事による名誉回復請求を求める訴訟を起こしたと発表。松本個人による提訴となり、請求額は約5億5000万円。松本は報道を受け、8日に「当面の間、様々な記事と対峙、裁判に注力するため」、事務所を通じ活動の一部休止を発表した。レギュラー出演している7番組を含む番組出演などは、収録していた分を除き、出演を自粛していく方針。

 松本の代理人弁護士のコメントを掲載した。「本日、松本人志氏は、株式会社文藝春秋ほか1名に対して、令和5年12月27日発売の週刊文春に掲載された記事(インターネットに掲載されている分も含む)に関し、名誉毀損に基づく損害賠償請求及び訂正記事による名誉回復請求を求める訴訟を提起いたしました」と説明。「今後、裁判において、記事に記載されているような性的行為やそれらを強要した事実はなく、およそ『性加害』に該当するような事実はないということを明確に主張し立証してまいりたいと考えております」と今後の方針を明らかにした。

 訴えを受け、週刊文春編集部はこの日、コメントを発表。「一連の記事には十分に自信を持っています。現在も新たな告発者の方々のお話をうかがい、慎重に裏付け取材をしております。提訴によって萎縮することなく、今後も報じるべき事柄があれば、これまで通り報じてまいります」とした。

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