「セクシー田中さん」問題 北村弁護士が原作・テレビ両サイドから推察 「さすが冷静」「この観点は大切」

2024年02月19日 09:36

芸能

「セクシー田中さん」問題 北村弁護士が原作・テレビ両サイドから推察 「さすが冷静」「この観点は大切」
北村晴男弁護士 Photo By スポニチ
 弁護士の北村晴男氏(67)が、19日までに公式YouTubeチャンネルを更新。昨年10月期に日本テレビでドラマ化された漫画「セクシー田中さん」の芦原妃名子さん(享年50)が急死した問題について、14日に公開した解説動画の「後編」を公開した。
 芦原妃名子さんの訃報は1月29日に伝えられた。芦原さんは1月26日に更新した自身のXで、脚本をめぐり局側と折り合いがつかず、自らが9、10話の脚本を書くことになったとして視聴者に向けて謝罪。当初提示していた「漫画に忠実に描く」などの条件が反故になっていたと明かしていた。

 この件に関し、北村氏は14日に公開した動画で法的な立場から解説。北村氏によると、原作者には「著作者人格権」があり、その中の「同一性保持権」=著作物及びその題号につき著作者(著作権者ではないことに注意)の意に反して変更、切除その他の改変を禁止できる権利があるため、原作者の同意なしには句読点ひとつも変えることはできないと説明。

 だが芦原さんの主張は反故にされ、それでもドラマをよりよいものにしようと指示を出し続けていたと推察した北村氏は「芦原さんはおそらく、“大変だけれども十分チェックしていこう”と、そういう思いをもってこのドラマ化をOKされたんだと思います。ところが芦原さんの思いとは裏腹に、内容を変えないでくださいねという思いよりも、変わった脚本が上がってくる、そのたびにストレスを抱えながら“これじゃ困るよね”と突き返したり、“ここを変えてください”と言ったり、そのような作業をずっとしてきて…大変な思いをされたと思う」と吐露していた。

 原作者側の権利を説明した「前編」に続き、「後編」では、ドラマ制作サイドの思いを推察。「原作と違う」脚本については「脚本家は、自分は原作者の思いもくんだ上で、実写版のドラマとして、視聴者に分かりやすく、視聴者が興味を持てるような脚本を作るというプロ意識をもって作っておられるはず」と私見を述べ、「脚本についていろいろなやり取りがあって変えたり修正を繰り返したはず」と、ドラマ制作側も「良いものを作ろう」という思いは持っていたはずだと説明した。

 「どんな仕事も、自分の思う通りにだけはいきませんから、さまざまなストレスがお互いにかかる。間に入った人にもさまざまなストレスがかかったでしょう」と配慮した上で、「ラスト2話は原作者が脚本を書いた」というドラマ制作側が公開した情報については「オープンにする必要があったのかなと思わなくもない」と顔をしかめたが「もっと脚本家の立場を尊重してよ、という気持ちが現れていた」と私見を述べた。

 この動画には「両者の立場から考えるのはとても大切。この問題を風化させてはいけない」「わかりやすい解説ありがとうございます」「この問題、北村先生に語って欲しかったです。いつもフェアな語り口でありながら、心情面も組みとってくれる、北村先生を尊敬しております」「私は100%芦原さんを擁護しますが、さすが弁護士でおられる北村先生、相対する立場の人の気持ちや考え方、状況などを客観的な視点から捉えられていてなるほどと思います」「今後のテレビドラマの在り方が良い方向に行って欲しいと思う」と、さまざまなコメントが寄せられた。

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