ききみみ 音楽ハンター
萩原健一 “光陰矢のごとし”22年ぶりシングルは原点回帰の1曲に
2018年05月06日 11:38
芸能
「デビュー51年目にまたライブをする時に昨年と同じ曲をするんじゃなく、前に進む姿を見せたかった」と、決意した新曲づくり。掃除や入浴中に浮かんだ印象的なメロディーを発展させ、歌詞は還暦を過ぎて使い始めたパソコンに残してある脚本の下書きなどから、妻が拾ってくれた言葉を再構築した。
昨年の大阪公演には90歳の女性も来場。「着物姿で舞台に上がってきて“いくつと思う?”って。くれたプレゼントはパンツだった」と笑う。今回も「僕らは女性もしとやかで男性もおとこ気があった昭和世代。最近は丸くなり酒も控えて…っていう方々が、羽目を外して一緒に楽しんでくれたら」と期待した。
ご存じの通り、過去は波瀾(はらん)万丈だ。「とがってたし、破天荒でした。迷い、泳ぎ疲れた事もあったし、いろんな批評を浴びてきた」と振り返る。42歳で右耳の慢性真珠腫を発症し、NHK大河ドラマ「太平記」の新田義貞役を降板したのを機に、生活を見直した。「医者に“このままじゃダメですよ”って言われてね。酒は適量、休肝日を作り、タバコはやめました」。
ロッカー、いやショーケンらしからぬ発言と思えるが「ローリング・ストーンズやボブ・ディランも生活はきちっとしてるんだよね…でないと続かない。ミュージシャンはわりと夜行性だけど、役者の仕事は早朝から。規則正しくないと持たない」と苦笑い。今では毎日30分自転車をこぎ、約2時間ストレッチ、日付がかわる前に寝る。「今は非常に客観的に自分を見られるし、人の意見を聞けるようになった」と語る柔和な表情が印象的だった。(萩原 可奈)
★新曲「Time Flies」については5月9日放送のMBSラジオ「子守康範 朝からてんコモリ!」(午前7時台)で詳しく紹介する。